第二十七章 第6次神政内閣

 道成義則(ドウジャウヨシノリ)大神 

 ()()()(ひめ)大神

 第5次神政内閣で「大野大陣(おおのだいじん)大神」が立たれたが、外国神の感化を受けて日本魂をほとんど喪失した神なので、施政を誤って駛身(かけりみ)界に大混乱を招く。混乱はあまりにも激しく、自在を許された「天の御三體大神」もこれを見過ごすことはできなかった。協議の結果、駛身(かけりみ)界で最も崇高厳粛な神として知られた「道成義則(ドウジャウヨシノリ)大神」[国万造主大神の次位の神]に詔して、さらに「大地将軍」の姫神「()()()(ひめ)大神」を妻神と定めて、第六次神政内閣を組織された。

 「(ドウ)(ジャウ)(ヨシ)(ノリ)大神」は「天の御三體」の意を体して、極力治世の道を講じ、外国諸神の暴威の抑圧に務めたため、内国の諸神神霊もようやくその安心を得て、一時大神の治世を声を揃えてほめたたえる時代となった。しかし、宇宙全般は未だ自在時代の過程にあるため、折角の治世も永続する事は叶わず、妻神「()()()(ひめ)大神」の事より、再び葛藤を招来する事となった。

 「(タイ)()(シャウ)(グン)」の姫神「()()()(ひめ)大神」は、第三次神政内閣の時、父神と共に宇宙へ逃れた三姫神の一神だが、長く宇宙にいる事に我慢できず、駛身(かけりみ)界に帰って活躍する目的で『ろ』の国に赴く。そして、『ろ』の国で「(アマ)照彦(テルヒコ)大神」の変神「行永春神」の影響を受け、大いに『ろ』の国魂に感化された後、帰って道成義則(どうじょうよしのり)大神」の妻神となった。「()()()(ひめ)大神」は、朝廷において音楽遊芸などに関する諸事を盛んに案出し、常に分を超えた贅沢をして駛身(かけりみ)界の神霊では最も華美だった。何事も事足るという意味から、一般より御名を「(こと)(たる)(ひめ)大神」[明妙言足姫大神]と呼ばれたこの神は、『ろ』の国で「ミューズ」となった神。

 「気津久姫(きつくひめ)大神」はその音楽遊芸で、内閣成立の当初は夫神「(ドウ)(ジャウ)(ヨシ)(ノリ)大神」を慰めたが、『ろ』の国で受けた「行永春神」の感化が、やがて表面に顕われてくる。夫神に冷淡な態度を示すようになり、「(ドウ)(ジャウ)(ヨシ)(ノリ)大神」の従神「桃照彦(ももてるひこ)神」とその妻神「春子姫神」は大いに心を痛めて諌めたが、聴かなかった。「()()()(ひめ)大神」は次第にますます道理にもとるようになり、ついに「春子姫神」との間でもめ事を起こし、夫神「(ドウ)(ジャウ)(ヨシ)(ノリ)大神」をいつわるようになる。廉直潔白な「(ドウ)(ジャウ)(ヨシ)(ノリ)大神」は大変怒り、即座にすべてを棄てて宇宙に逃れ去ったため、ようやく恢復しようとした神政政治もたちまちにして崩壊。「八珀八光(はっぴゃくはっこう)神」と「八百幡神(はっぴゃくはたしん)」との争闘は再び開始され、遂に第六次神政内閣も終末を告げる。

 「(ドウ)(ジャウ)(ヨシ)(ノリ)大神」は、統治神の神威に(はか)る事なく、自分の一存で重大な任務を放擲して宇宙に逃れ去った罪過から、その後、長く続いて現れて、罪をあがなうための大苦心をすることになった。その顕著な現われの一つは、仏界に出現した「不動明王」。明王の背後にある光と炎は「天の御三體」の大神が叱り責められているもので、手にした剣と縄はその刑罰の象徴。「不動明王」は、今回神政成就の暁を招来するまでに、背後の火焔を消し、鋭利な剣と捕縄の刑罰を(ゆる)されるに値する大活躍をしなければならない宿命に置かれた神霊。

 

 

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