「大地将軍」
「常世姫大神」
天の岩戸閉めの神意を知らない駛身界の自在神は、神霊界に展開する争闘は神霊界自身の内側から起きると思えることから、争闘を神霊自神の努力によって調和させようとした。その方策として、駛身界統制のために神政内閣を組織することになったが、この神政内閣は今日に到るまで前後8回変遷した。
「天照彦大神」「山武姫大神」の紊乱の後を受けて、最初に成立した第一次神政内閣の首班(=第一の席次)「大地将軍」と「常世姫大神」の二神は、神霊界の政治を「由良里彦大神」の時代に戻して再び調和させようとする意志で、さまざまな苦心を払われた。しかし、引き続く霊界の混乱はあまりに深刻で、二神の意志と努力をもっても施す術はなかった。一方、神霊界恢復のために「大地将軍」と共に活躍した日の本の諸大神は、この事態を見て、止むを得ずこの混乱が自然に終熄する時期を待つとして、神霊界より隠退した。
「稚姫君大神」の使者として「天照彦大神」の許に赴いた「大地将軍」の使命が成功しなかったため、憤激した部下の「八百八光神」は、「大地将軍」の敵を討つとして、大挙して「天照彦大神」の軍に攻撃を始めた。この時、「八百八光神」の神将の中にいた「一の木神」(大地将軍の分霊神)が、部下の諸神霊を率いて天照彦大神の「八百幡神」の軍に奮然と斬り込み、討死。この「一の木神」の霊はその後、幾多に分裂して人間界の身魂として出現するが、この神の身魂を受けて現われた人間は、その根源の身魂神たる「一の木神」の経歴を踏んで、ことごとく天命を全うできなかった。この事は、人間の身魂がその光の神霊の性来・因縁を踏襲する事実の顕著な一例。中世の平景清、近世の佐倉栄五郎・大石良雄・赤垣源蔵・佐野次郎左衛門、西郷隆盛・僧月照・乃木希典等は、この「一の木神」の身魂を受けし人々。この真理はあらゆるところで実現され、人の身魂は神霊界の神霊の個性・行為に支配されて、それと大変良く似た型を現出することは争うこともない事実。人間の身魂の個性は「天津大神」の霊統者と言われるが、単一なものではない。同じ「天津神」でも異なる個性・経歴を有する多数の神霊が存することから、人間にも様々な身魂の個性が出現すること事を、身魂の性来(出所)因縁(経歴)と云う。
以上は、人類個人の身魂に関する事実だが、さらに人類界でのあらゆる社会的事象が、ことごとく神霊界での社会的事象の反映であることも真理。人類にこの真理が全くあきらかではなかったため、歴史上の民族、国家社会の治乱興亡を、単に人間界自体から生まれ起こる事実と考えたが、〝神霊界の事象の反映〟という真理に照合して過去から今日までの歴史を再び検討する時、今日まで不明不可解だった幾多の事実が、初めておのずから氷が解けるようにはっきりとわかる。個人だけではなく、同時に社会に関してのこの真理こそ、実に人類の過去・現在・未来の歴史を照らす炬火。の炬火で歴史を照して、本解説『宇宙剖判より神政成就に到る神現両界の推移変遷の概観』は作成された。
さて、「八百八光神」と「八百幡神」との争闘はいよいよ激烈となって施す術はなく、困りきった「大地将軍」は、止むを得ず両軍が戦闘に疲れてみずから終熄する時を待とうと、妻神「常世姫大神」を伴い、「気津久姫大神」「花寄姫大神」「早里姫大神」なる三姫神を率いて、攝津国(大阪府西部と兵庫県南東部)肝川の里(四次元界でのその所を指す)に落ち行き、そこで隠退された。
その時なお天照彦大神の「八百幡神」の軍が追撃して、戦闘が継続したが、「大地将軍」の軍の殿陣を承った「大音声丸神」「草鶴姫神」なる夫婦の神が大いに奮戦し、「天照彦神」の軍勢を阻止。「大地将軍」を安全に落し奉ることができたが、「大音声丸神」はこの乱軍で死亡。妻神「草鶴姫神」は憤激して、夫神の怨を晴さんとして自身を蛇身に変え、神念力で敵の全軍を麻痺させた。「八百幡神」の軍は一時怯むが、「草鶴姫神」の神念力に気付き、その念力で生じた悪鬼をことごとく一箇所に集めて、これを一団となして「草鶴姫神」に向けて吹きかけたため、「草鶴姫神」は、自ら出した毒気で自ら斃れてしまう。
神界、現界を問わず、正々堂々と陣を敷いての争闘は神もよしとされるが、邪法で相手を破ろうとすれば、かえって自らが斃れることになる。創造神の意志によって、自在時代には自在を許されたことから争闘も起こるが、争闘を起したものは、自分の初期の目的に反して、その争闘のために自ら破られる。「草鶴姫神」の例はこの顕著な一例にで、これを広く「相当の反逆性」と云う。
さて、悪鬼となって敵陣を悩ました「草鶴姫神」の神霊の邪気が分散して、その後現界に反映して出現したのが伝染病。現界の伝染病はこの神の司るところで、神霊の怨恨が、神霊界では悪鬼となり、現界に出れば細菌の醸し出す毒素となる。この「大音声丸神」と「草鶴姫神」の思念・怨恨は、やがてそれ自らが「天地根本大祖神」の戯曲における永遠の御計画を自覚した時、初めて自ら消滅する。この神霊の自覚によって思念が消滅しない限り、現界での伝染病は決して消滅しない。この事のみならず、すべて神々の自覚によって神界に真の楽園が出現しない限り、決して人間界に楽園の出現を得ることは望めない。
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