道成義則大神 気津久姫大神
第五次神政内閣に於て「大野大陣大神」立ち給いしが、前述の如く日本魂を喪失せる神なりしため、其の施政を誤り、駛身界に大混乱を招来せしが、其の混乱余りにも激甚なりしを以て、自在を許容し給える天の御三體大神も、之を看過し給うこと能わず。御協議の結果として、駛身界に於て最も崇高厳粛なる神として知られたる「道成義則大神」[国万造主大神の次位の神]に詔して、更に「大地将軍」の姫神「気津久姫大神」を妻神と定めて、第六次神政内閣を組織せしめ給えり。乃ち、「道成義則大神」は天の御三體の意を體して、極力治世の道を講ぜられ、外国諸神の暴威の抑圧に務め給いしかば、内国諸神も漸く其の堵に安んじて、一時大神の御治世を謳歌する時代を招致するに到りき。然れども、宇宙全般は未だ自在時代の過程にある事なれば、折角の御治世も永続する事叶わず、妻神「気津久姫大神」の事より、再び葛藤を招来する事となれり。
「気津久姫大神」は、「大地将軍」の姫神にして、第三次神政内閣の時に於て、父神と共に宇宙へ逃れたる三姫神の一神なりしが、長く宇宙に居る事に忍びずして駛身界に帰えりて御活躍をなす御目的を以て、『ろ』の国に赴き給えり。斯くて『ろ』の国に於て、「天照彦大神」の変神たる「行永春神」の影響を受けて、大いに『ろ』の国魂に感化せられたる後、御帰りありて、「道成義則大神」の妻神となられしものなりしが、「気津久姫大神」は、朝に在ます間、盛んに音楽遊芸等に関する諸事を御案出あり、且つ常に奢侈贅沢を事とせられ、駛身界に於ける神霊としては最も華美なる御有様にして、その何事も事足ると云う意味を以て、一般より御名を「事足姫大神」[明妙言足姫大神]と呼ばれ給えり。此の神即ち『ろ』の国に於て、ミューズとなりし神なり。
「気津久姫大神」は、其の音楽遊芸を以て、内閣成立の当初は夫神「道成義則大神」を慰め居り給いしが、『ろ』の国に於て受けし「行永春神」の感化、軈て表面に顕れ来り、夫神に対して漸く冷淡なる態度を示さるゝ次第となれり。玆に於て、「道成義則大神」の従神「桃照彦神」及びその妻神「春子姫神」は、大いに心痛して之を諌めたりしが、聴く所とならず、「気津久姫大神」は、次第に暴戻を増し、遂に「春子姫神」との間に就きて事を構えて、夫神「道成義則大神」を誣罔するに到れり。玆に於て、廉直潔白なる「道成義則大神」は、極度に憤激し、即座に万事を放擲して宇宙に逃れ去り給えり。此の為に、漸く恢復せんとしたる神政政治も忽ちにして崩壊し、「八百八光神」と「八百幡神」との争闘は再び開始され、遂に第六次神政内閣も終末を告ぐるに到れり。
此の「道成義則大神」は統治神の神意に諮る事なく、只自己の一存を以て重大なる任務を放擲して宇宙に逃れ去りたる罪過を以て、其後縷々現れて其の贖罪の為に大いなる苦心をなす事となり給いしが、其の顕著なる現われの一は、仏界に出現せる「不動明王」なり。明王の背後にせる光焔は、天の御三體の大神の苛責にして、手にせる剣と縄は、其の刑罰の象徴なり。今回、神政成就の暁を招来するに到るまでには、不動明王は、其の背後の火焔を消し、其の利剣と捕縄の刑罰を赦さるゝに価すべき、大活躍をなさざるべからざる宿命に置かれし神霊なり。
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