第十八章 第四次神政内閣

   八尾大陣(やつおだいじん)大神  大鶴姫(おおづるひめ)大神

 第三次神政内閣は「佐田彦王(さだひこおう)大神」の隠退と共に没落せしものなりしが、其の当時外国より(日の本)に竄入(ざんにゅう)せる外国諸神霊に懐柔さるゝ所となり、且つ日の本に生じたる思凝神(シコリガミ)「やつをきつ」(八尾狐(ヤツヲキツ))に翻弄せられたる為に、日本魂の根源を失いて全く外国魂に化し終りたる「(ヤツ)()(ダイ)(ジン)大神」は、多年『ろ』の国に於て「山武姫(ヤマタケヒメ)大神」と共に活動を続けいたりし「大鶴姫(おおづるひめ)大神」を妻神として、其の主班に立ちて、玆に第四次内閣を成立せしめたり。此の内閣成立によって、外国諸神霊は、愈々其の機会到来せりとなし、日の本の神霊界を攪乱(かくらん)、将来地上の司宰大権をも彼等の掌中に獲得せんとする野望を以て、其の策動を開始せり。

 然るに、斯かる際に於て策動を起せし外国諸神霊に取りて、最も障害となるは、「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」((クニ)(トコ)(タチ)大神)なり。即ち大神は、第四次元駛身(カケリミ)神霊界の最大権威たる司宰神にあり給うなり。而も大神は、其の時に到るまで、神霊界の様々なる混乱に就ては全く事に(あずか)らず、終始傍観の位置に立ち給い、また外国諸神霊の策動を殊更に牽制するが如きことは為し給わざりしが、ともあれ「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」は外国諸神に取りて最大の圧力にして、若しこの司宰神をだに隠退せしめ得れば、其の後に於ける日の本は、全く之等外国諸神霊の意の侭に処置するを得るものなるを以て、此の理由の下に、外国諸神霊は悉く一致団結して、如何にもして「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」の隠退を図らんと画策せり。玆に於て、遂に「幡十台神」が之等外国諸神霊の代表となりて天に上り、統治神「天の御三體大神」に対し、司宰神「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」の行い給う神政政治の方策は甚しく苛酷厳格にして、諸神霊の到底耐うる能わざるものなりとの理由を以て、大神の隠退を命ぜられん事を直訴すること数回に及べり。

 然るに、「天の御三體大神」は従来の神霊界の混乱に就きても、もとより、そが創造神「天一天柱主(アメハジメアメハシラヌシ)大神」の御神策に出でし事なるにより、全く黙認して居り給いし次第なりしかば、更に今回外国諸神霊の直訴に当りても、之を(ちょう)(きょ)し給わざるを得ず、玆に於て「天の御三體大神」は、「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」を徴されて、四神御協議の結果、自在の時代終了するに到らば、再び「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」(しゅつ)(ぎょ)ありて現在の位に復する事を条件として、一時地界の司配権を放擲して隠退する事こそ、(かえっ)て創造神の神意を(たい)する所以にして、且つまた或程度まで之等外国諸神の支配慾に満足を与えざる限りは、その思念将来に残留し、(やが)てまた禍の根源となるを以て、一応は先づ外国諸神霊をして為すがまゝに為さしめたる後、遂に為す能わずして其の画策の遂ぐる能わざるに及んで始めて之等外国諸神霊が天津神策の冒すべからざる事を自覚するに到る時期まで、地界の司配権を放擲するに()かずとの御協議一決(いっけつ)し、玆に「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」は御隠退し給う事となれり。

 ()て、この御隠退に際して、「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」の直属神及び「八百八光神」は、大いに之に反対を唱えたれども、もとより天の御三體大神によりて決定せられし次第なるを以て、如何とも変更する(よし)なく、斯くて止むを得ず、暴力を以て外国諸神の企画を阻止せんとして、之と戦争を開始せり。然れ共、此の時の外国諸神は事「天の御三體大神」より出でしものなるを以て、其の意気軒昻(けんこう)にして、遂に(いくさ)は外国諸神の大勝に帰せり。其の結果、日の本神霊の大半は、「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」と共に隠退する事となれり。その時の隠退の方向は東北(〇〇)即ち(ウシトラ)の方向なりし事に依りて、「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」を「(ウシトラ)の金神」と云い、また、大神と共に隠退せし従属の諸神霊を金神と呼ぶ。また「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」の妻神たる「比津遅比売(ヒツヂヒメ)大神」は、夫神と苦しみを分たんとして「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」とは反対の方角、西南(〇〇)即ち() (ヒツジサル) の方角に隠退し給えり。之を「(ヒツヂサル)の金神」と呼ぶ。

 此の「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」御隠退に当りて、此の事を「天の御三體大神」に直訴したる神は前述の如く「幡十台神」なりしが、此の神を一名「ウシウドの神」又は「ウヅウの尊」と称す。此の「幡十台神」、外国諸神と相(はか)りたる結果、直訴の為、前後三回天に上りて御三體大神に建議(けんぎ)したりしなり。やがて「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」隠退の画策成功を見たる時、「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」は「ウシウドの神」に向い給いて、

『朕を隠退せしむる事に就きて、此の事を先づ朕に(はか)らで、天の御三體大神に直訴するは如何なる故か』

と問い給えば、「ウシウドの神」之に答えて、

国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神』は、頑迷固陋(ころう)なる気質を有せらるゝによって、諸神の建言を用いざる事必定なり。貴神の如き正義一徹の方策にては、結局世界の完成を望む事難し。世界の進歩を図らんとすれば、平易と寛大とを以て其の策とせざるべからず。是れ内外諸神の決議なり。此の決議を遂行する為に直接貴神と(はか)るはもとより不可なるを以て、斯の如く天に直訴を企てたるなり。既に御三體大神の御神勅の降下を見たる事なれば、早速御隠退然るべし。』

と云えば「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」は、

『天の御三體大神の御命なるを以て、朕は無条件に隠退せむ。然れ共、汝等諸神の試みるが如き方策にては、将来の神政は必ず不可能に終るべし。やがて汝等失敗せば、朕は再び世に現れて政治を執らむ。何時の日に到らば、汝等は再び朕を世に出すや。』

と問い給うに、「ウシウドの神」は之に応えて、

『そは、炒り豆に花の咲く頃ならん(〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇)。』

と云えり、斯の如くして、「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」愈々御隠退し給いしにより、外国諸神は狂喜手の舞う所を知らず、「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」の竜體を取り、之を斬りさいなみて、其の臓腑までをも煮て()い、更に(ひいらぎ)の葉を以て大神の眼を刺し潰し、炒り豆を作りて再び大神が世界に御出現なき為にと、隠退し行き給う大神の背後より投げ付けたり。日の本に於て正月元旦に雑煮を食う習慣は、此の「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」の臓腑を煮て食いし事に始まり、更に大神の御隠退は二月の節分の夜になされし事の為に、其の夜は(ひいらぎ)の葉を以て魚の眼を貫き、炒り豆を作りて家の中より『福は内、鬼は外』と云いて投げつくる習慣を生じたるものなり。

 斯の如くして、「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」御隠退し給いしにより「(アマ)照彦(テルヒコ)大神」は、諸神に迎えられて、外国より日の本に帰来し、諸神は、「(アマ)照彦(テルヒコ)大神」を擁立して、隠然(〇〇)たる(〇〇)地界(〇〇)()司宰神(〇〇〇)の位置に据え「天の御三體大神」は、此事を黙過(もっか)し給えり。

 

 

Copyright © 2020 solaract.jp. All Rights Reserved.