佐田彦王大神 佐田子姫大神
第二次神政内閣の「地上丸大神」「地上姫大神」没落し給いて、「大地将軍」「常世姫大神」の在します肝川の里に走り行き給いしが、此の事によりて「大地将軍」は神霊界の事態容易ならざるを察知し給い、如何にもして神霊界の治世を回復し給わんとして、「大地将軍」は「佐田彦王大神」に常世姫大神は佐田子姫大神に変じて出御し給い、第三次神政内閣を組織し給えり。「佐田彦王大神」は第二次神政内閣を没落せしめたる主媒神たる「天若彦大神」に徹底的なる弾圧を下して、之を放逐し給い、神霊界の混乱を静めんと努力し給えり。玆に於て、神霊界の従神「八百八光神」の不平憤慲も、主神たる「大地将軍」の再現し給ひたる事実によりて、大凡鎮静に帰し、神界政治の基礎漸く恢復に赴かんとせり。
扨て一方、さきに「地上丸大神」と共に肝川に隠れし「地上大陣大神」は、更に肝川より『ろ』の国に逃れ行きしが、『ろ』の国に於て外国諸神に囲統せられつゝ在る間に於て、漸次日の本魂を喪失し、全く『ろ』の国の魂に化せられ放埒なる神に堕し、名前を「取込大神」と変じ、再び日の本への帰還を思い立てり。
此の当時、『ろ』の国には「大鶴姫大神」居り給いしが、此の神はさきに「山武姫大神」と共に『ろ』の国に赴き、天神の命を受けて秘かに「山武姫大神」の監督の任に当て傍ら、共に『ろ』の国の固成修理に大活躍をなし給えるものなり。然るに、此の活躍の間に於て、「大鶴姫大神」は「山武姫大神」の有する姦悪なる性質に依りて、漸次感化影響を蒙る所となれり。
此の二神は、日の本に於て「国万造主大神」の御手に依りて人體が完成せられたるを見て、それに倣いて、『ろ』の国に於ても人體を創造せんとし、様々に工夫せられしが、如何にしても其の目的を達するに能わず、出来上りしものは人體とは似付かぬ四足動物にして、其の最初に生じたるは馬と猪にして、また鳥類としては孔雀なりしと伝えられる。ともあれ『ろ』の国の修理固成は完了を告げたるを以て、「大鶴姫大神」の日の本への帰還の思念漸く急となれり。玆に於て、「大鶴姫大神」は、さきに「取込大神」がこれまた日の本への帰還を思い立てるを見て、之を同道し、更に又一方、『ろ』の国に在りて秘かに日の本神霊界を奪取してその司配権を掌握せんと画策しつゝある「山武姫大神」の股肱の臣にして、而も秘かに大神より命令を含められていたりし、「盤古大神」(支那にて発生したる神)、「幡十台神」(露西亜にて発生)、「十億道神」(露西亜にて発生)等、『ろ』の国の国魂神たる諸神霊を伴い、之等全部の諸神霊は、「大鶴姫大神」を主班として一団体を成し、万国棟鿄国たる日の本を目指して、一時に帰還竄入し来れり。
斯くて、之等諸神霊日の本へ渡来の後、先づ「大鶴姫大神」は、内閣の主班たる「佐田彦王大神」に取入り、日夜管絃舞楽を催して其の歓心を購い、以て其の政務を疎にせしめんと図れり。また「取込大神」は、日の本の神意を閉塞せんとして百方策を廻らし、また「盤古大神」、「幡十台神」、「十億道神」等、「山武姫大神」股肱の巨神は、「山武姫大神」の素志たる日の本奪取の陰媒を貫徹せんが為に、愈々其の蠢動を開始し、殊に其のうち「盤古大神」は、万国の統率者たる日の本御皇室の皇霊統に侵入して、神・現両界共に其の手中に収めんとして、漸次其の爪牙を延ばすに到れり。
斯くて、是等の帰来せる日の本神霊及び外国諸神霊の策動漸く顕著となり来たりしを以て、之に気付きたる日の本在来の「八百八光神」は、大いに怒りて此の形勢を防遏せんが為に奮起し、之等外国諸神霊に挑戦したるを以て、玆にまた、神霊界の大動乱を招致するに到れり。而も此の動乱は、時経るに従いて益々激化し、終熄の予想全く立たざる事態となれるを以て、「佐田彦王大神」は、遂に憤然として其の位を放擲し、三姫神「気津久姫大神」「花寄姫大神」「早里姫大神」を伴いて、宙界に逃れ去り給えり。(此の事によりて「佐田彦王大神」は、後に「猿田彦神」と堕せり。)而して、妻神、「佐田子姫大神」は、後に残りて大いに外国諸神霊に対して防戦に努め、事態の恢復を図り給いしが、遂に如何とも収拾する能わざるに到り、夫神とは別に肝川の里に逃れて、再び隠退し給ふの止むを得ざる事となり、玆に、第三次神政内閣の没落を見るに到れり。
扨て、以上述べし如く、第一次、第二次、第三次と神政内閣相次いで没落したる為、其の間事に与りし日の本諸神霊の間に漸次怨恨・思念鬱積し、そが凝固して一箇の悪霊となれり。之を「八尾狐」と云う。「八尾狐」は體なくして形と意志のみなる霊神にして、所謂思凝神(シコリガミ)と称するものなり。
此の後、「盤古大神」は、苦心の結果、皇霊統に侵入する事に成功し、また「取込大神」は、日の本根本神宮なる「天神人祖一神宮」の周囲に鳥居(日羽鳥とまり鳥居)を建て、神意を閉塞することに成功せり。
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