光 格 天 皇
御代、文化18年(*文化は14年迄、安永9年?)、即ち今日より百五十二年の昔、仮凝身界創造神「天一天柱主大神」は、「天地根本大祖神」の意を体して、天の岩戸開きの勅命を燿身界創造神天の御三體大神に下し給えり。此の勅命降下[発布]せらるゝや、忽ち、宇宙の万事万般は澎湃として活動を開始し、嘗て悠久を経来りし自在の時代は、玆に漸く限定の時代に入り、やがて統一ある神政成就に到らんとする黎明の微光・揺曳し初めたり。
乃ち、此の勅命によりて、天の御三体大神の一の神なる「天照日大神」は、文化十一年冬至の日、先づ「黒住宗忠」[黒住教祖]に御神憑ありて、神政復古及び万国棟鿄天職天皇の世界統理復帰の事を勅授し、之を日の本皇室に伝達せしめらる。当時日の本は自在の時代の澆世にして、而も、往昔葺不合皇朝六代「石鉾歯並執楯天皇」以来、天皇御自身、神人合一は至って稀有の事となり、また天皇側近の輔弼者初め将軍「徳川氏」は云うに及ばず、其の他神官・僧侶、一人として大神の神意を受くべき器量を有する者絶無なりし時、偶々「黒住宗忠」なる真人出現して、玆に初めて大神の神勅を直受したるは、既に時到れるの故にして、且つまた計り難き神意の顕現なり。
「宗忠」は、此の天命を直受してより、先づ陽に其の教え黒住教を拡め、蔭に大神の神命実現に努むること三十年、次代「仁孝天皇」を経て「孝明天皇」の御代に到り、初めて時期到来し、三度禁中に参内して、「天照日大神」の神勅を、天皇に咫尺して奏上し奉れり、玆に於て、天皇始めて大神の神意を了解し給いて、爾後、天皇は、徳川幕府に対する態度一変して、皇政維新についての御目論見を凡て此の神勅に基きて建設し給えり。「宗忠」は安政二年に没したりしが、翌三年に京都吉田に「宗忠神社」祭祀せられ、「宗忠大明神」の号を賜り、勅願所と定められる。実に臣下布衣の身にして大明神の号を賜りしは、日の本開闢以来「宗忠」を以て惟一人とす。以て、「孝明天皇」が如何に此の御神勅を重んじ給いしか、拝察し奉るを得べし。
天の岩戸開きの勅命を創造神より受け給いし天の御三体の大神は、玆に、往古第四次神政内閣以来隠退し居り給いし国祖「国万造主大神」を徴して、其の再起を促し、
『天の岩戸開きに対し、再び立ちて、神・現・幽の建替建直しを実施して、もとの神代の神政に還元せよ。』
との勅命を伝え給う。玆に於て国祖「国万造主大神」は、煎り豆に花咲く時節漸くにして到来したるを以て、直ちに勅命を拝受して、古来大神と共に隠退し居りし「金神系諸神」[大神の直属神及び八百八光神]に其の再起を命じ給い、玆に葺不合皇朝末期日本島文化覆滅当時以来準備したりし、所謂国祖三千年の仕組みによりて、愈々三界建替建直し、日本天皇の世界統理復帰、即ち神政復古の大神業実現の準備に着手し給う。而して、此の事はまた一面に於て、往古葺不合五十九代「天地明玉主照天皇」の御代「天照日大神」の御神勅ありて、
『今より六千百年の後、再び世界統理の時到る』
旨発布ある給いし、神意の実現にてあるなり。
斯くて、「国万造主大神」は、此の大神業最初の実行準備として、「仁孝天皇」の御代、天保九年十月、天理教祖「中山みき子」に、「天の将軍」と称して御出現あり。
『此度神表に現われて、何か委細の事を説き聴かす。』
と宣べ給う。之を大神第一の宣示として、漸次世界の建替建直し、神政成就につきて御説述あり、当時また、世に真人のあることなく、神人交通の任を果さしむべく、漸く純潔なる「中山みき子刀自」の肉體を完成し得て、玆に神意の発展をなさしめ給いしものなり。即ち「黒住宗忠」に対しては、「天照日大神」より、天命勅授として、之を皇室に伝えしめ、また更に「中山みき子」に対しては、「国万造主大神」より、多年自在の時代にありし神現両界を限定して統一ある神政成就の域に進めんために、神霊及び人類の全般に向いて未知の真理を明示し、創造神の神意を完全に具体化せんとする御意志を以て、斯くの如き委細の御説述ありたるなり。
既に以上の如く、「国万造主大神」が神・現・幽三界の建替建直しに着手し給いし時に当り、一方に於て、太古以来長年の間隠然地界の司宰神たりし「天照彦大神」、多年日の本に竄入しありし「山武姫大神」、其の他日の本神現両界を纂奪して全世界を掌握せんとする野望に加担せる諸神霊は、此の国祖「国万造主大神」の再起を知りて、時漸く彼等に非なるを感知したるも、猶も此の大勢に抗して、初期の目的を達成して末法万年を継続せしめんと、陽に蔭にあらゆる努力を傾注せり。
然るに、天の御三体の大神に於ては、此の大神業実施に当りて、神霊界に争闘の起らん事を出来得る限り回避し、以て平和円満に神政成就の彼岸に到達せしめんとする御神慮の下に、再起せる「国万造主大神」及び部下「金神」系諸神に対して、暴挙を慎みて能う限り隠忍自重すべき事を御戒めあり、これにより、「国万造主大神」は、更めて部下直属神及び「八百八光神」に此の天の御三體大神の神意を伝え、軽挙妄動を慎む事は勿論、現在表面に立てる「山武姫大神」系並に「天照彦大神」系諸神霊に対して、怨恨を以て事を処理せんとするが如き事なきよう、充分なる御訓戒を与え給いたり。
而も此の「金神」系諸神は、今日迄過去悠久の年月に亘り隠退し居りて、全く表面に現われし事なかりしかば、其の再起に当りては、先づ現界人類をして、其の出現せる事を認識せしめ、之を神として尊崇せしむべき手段を講ぜざるべからず。乃ち、「国万造主大神」は、安政六年十月、大神の分霊神たる「大地将軍」を「天地金の神」として、金光教祖「川手文治郎」に出現せしめて、「金神」系統神再起の真意義を徹底的に伝えしめらる。即ち、人間として最初に「金神」を認識するを得たるは、此の金光教の開祖なり。玆に於て、「国万造主大神」の臣神を初めて「金神」と称し、盛んに尊崇礼拝して之を広く世に拡めたるを以て、開祖「川手文治郎」は、「金光大陣」なる神命を賜るに至れり。
以上の如くにして、黒住・天理・金光の三教祖によりて、天の御三体大神並に「国万造主大神」は、神霊界諸神及び皇室始め人民全般に亘りて、「国祖」並に「金神」系統神の出現を発表し給いしが、是れ抑も、神政復古準備の序曲にして、之を『天理・金光・黒住先走り』と云う。
扨て、此の間現界に於ては、「孝明天皇」、英明の資を以て、「天照日大神」の神命を御理解あり、軈て来るべき明治維新の御準備を着々御進めあり給いしが、之に対して、「山武姫大神」系諸神は、又も日本皇室を悩ますの手段に出て、遂に「孝明天皇」は、御傷ましくも、倒幕の御事業半ばにして、急に崩御の厄に遇い給えり。
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