第十一章 善悪の発生[神の戯曲]

 「(アマ)照彦(テルヒコ)大神」を桟縁として、始めて此の宇宙に出現せし司配慾及び恋愛慾は、之を大局たる「天地根本大祖神(てんちこんぽんだいそしん)」の御立場より観ずるに、「(アマ)照彦(テルヒコ)大神」が創造神よりして余儀なくせしめられしものに過ぎざりしなり、而も、此の当時の諸神霊は各各自らの意志によりて斯の如き慾望を想起したりし如く思い居れども、実は是等も諸神霊の不覚の間に創造神によりて焚き付けられしものに過ぎず。而して、究極に於て調和ある神政政治に到達せしめんとして此の宇宙に自在を許し給える、「天地根本大祖神(てんちこんぽんだいそしん)」の御意志を知るものは、「天の御三體の大神」及び自在界に於ける地の親神たる「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」のみにして、其の他の自在界諸神霊乃至限身(カギリミ)界人類は全く以て(あずか)り知らず。此の故に、神霊及び人類は(〇〇〇〇〇〇〇)其の意慾の根本の出所を知らずして(〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇)悉く各自より発生(〇〇〇〇〇〇〇〇)するが如く思い居たりしものなり(〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇)

 此の自在時代に於ける宇宙の混乱状態は、爾後悠久なる年月に亘り、昭和五年に及びて初めて其の終了を見るに到れり。人類界に於ても、其の発生の当初に於ては、英明なる天皇在まして、調和ある社会を構成し居たりしが(やが)て其の上に駛身(カケリミ)界に於ける諸神霊の混乱闘争反映し来りて、それに連れて人類界も共に混乱を起すに到れり。即ち、此の駛身(カケリミ)神霊界に於ける混乱闘争こそ、実に人類興亡の歴史を生みし根源なりとす。

 此の慾望に由る争闘混乱の間に於て対立せしものは、神霊界に於ては、善神(〇〇)悪神(〇〇)なり、またその分霊たる人間界に於ては、善人(〇〇)悪人(〇〇)なり。然れども善神、悪神と云い、又善人・悪人と称するも、事実は只此の対立に於ける相異の(いわれ)に過ぎざるものにして、大局より之を観ずれば、神霊も人類も悉く、謂わば「天地根本大祖神(〇〇〇〇〇〇〇)が書き下ろし給いし大戯曲の役者には過ぎざりしなり(〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇)。即ち、舞台の上に於ては善人も又悪人もあれども、役者其のものには善悪あることなく、宇宙間に於けるあらゆる善と悪とは(〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇)之を要するに(〇〇〇〇〇〇)創造神御自らの意志によりて(〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇)密かに此の宇宙に仕組み給いし(〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇)立場の相違より起る現象に過ぎず(〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇)

 太初より今日に到る間、人類に顕現して啓示を下せし神霊の数は尠からず。然れども、その何れの神霊も、此の現悪発生の原因、換言すれば神の戯曲の真相に眼覚めしものあらざりしのみならず、その啓示を受くる人類は全く何ものをも自覚せざるを以て、之等の啓示にして宇宙の真相を闡明(センメイ)し得たるものは未だ一もありしことなく、従って、或は其の一斑(いっぱん)は語り得たらんも、未だ宇宙推移の全般は全く之を(うかが)うべくもあらず。

 然るに、(ここ)に天運循環して、自在時代の終了近きを以て、文化十一年より今日迄、百五十余年間に亘る国祖「国万造主(クニヨロズツクリヌシ)大神」の御努力により、太初に於ける天の岩戸閉め(〇〇〇〇〇〇)、現在に於ける神政復古(〇〇〇〇)神政成就(〇〇〇〇)等の真相、初めて神霊並に人間に分明(ぶんめい)し、慾望・争闘・善悪の依って来る所以と「天地根本大祖神(てんちこんぽんだいそしん)」の描きし戯曲の真相とを(うかが)い知る事となり、永き代の(とお)の眠りより覚めて、神人諸共に神政成就の彼岸に、日本丸を押し渡さんと、浪路押し分けて進みつつあるが、実に現在なり。古歌に曰わずや。

(なか)()(とお)のねふりの(みな)()さめ、(なみ)のり(ふね)(おと)のよきかな。 

と、此の古歌、下より読みても、亦『なかきよのとおのねふりのみなめさめ なみのりふねのおとのよきかな』なり。

 此の歌、上下二読共に同一なるは、此の「現在状況」のやがて来るべきを、神界(上読)現界下読に(よみ)せし神啓なりと云わざるべからず。誠に此の夢醒めて後は、善玉・悪玉共に、「(かか)ることなりしか」と、手に手を執りて喜ぶ時、是れ、神政(〇〇)成就(〇〇)の時なり。

 

 

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