見えざる神は見えた

島根県能義郡広町

神和中教会  村上芙美子(27)

 謹んで御報告申し上げます。私の家は数十年来天理教信仰でございまして、今は父去り母は唯天理のお話を聞かねばと、益々熱心を加え、十年一日の如く、天理の有難さを聞かされ育って参り、毎夜一度として町の教会へのお参りを欠かす事はございませんでした。教祖の当時の御苦心や、奇蹟のお話も賜わりますが、現在の生活に直接関係とてなく観念的に神を見つめ、理論を弄ぶと申しますか、かえって戒律厳しく型に嵌ったせまさを感じ、若い私はともすると反駁しそうになった事も何度かございましたが、親に従わねばと形のみの信仰生活を続けて参りました。

 二十四年の春右足の節々が痛み出し、歩行困難な状態となり、早速「お救け」をして頂きましたが効果見えず先生からは「足の痛みは「行の理」で神様へお参りを怠るからだ」と申され、母には「信仰が足らぬ」と叱られ、ヒステリックな気持になるばかり。医診もリウマチとの事で、一週間程注射を二本宛うちましたが反って痛みは増すばかり。痛めば良いとは思わず、やがて手足の節々を動かす事が出来ず、この若さで屍の如く過さねばならぬかと思えば、子供の事、夫の事が、次々浮んでは消え、考えれば考える程、奈落に突き落される感じです。何とか治らねばと、鍼に灸に治療してみますが同じ事を繰返すのみ。その頃の事です。ふと四、五ヵ月前叔父の須山さんが、救世教の話をしにこられ、お救いの絶対である事を熱心に聞かせて下さいましたが、天理教の信仰であり天理が最高と母も夫も笑って相手にしなかったのですが、「ま、病気して困ったら来なさい」と帰って行かれた事を思い出し、お願いしようと母に相談しましたが、なかなか許されず叱るばかりでした。夫は病気の事とて試しに須山さんを迎えて呉れました。早速御浄霊を頂きました処、大変楽にして頂きました。さしも一年に近い間、悩み苦しんだ痛みも掌をかざすだけで、数十分の後には半減するこの事実、考えられぬこの奇蹟、ああ有難いと知らぬ間に手を合わせて居りました。これなのだ、これが真の信仰の姿なのだ、見えざる神の力を見せてこそ初めて清らかな祈りが生まれるのだと今迄の心の奥底にある曇りに、パッと光が入った感じでございました。一週間で元の足に変えて頂き、家の者も共に喜びましたが、さて入信と申せば、天理の神様に申訳ない。何十年御世話頂いた先生への義理が立たない等と、色々と反対致します。救われた神様へおすがりして何が悪いのだと、教修を受けさせて頂きました。聞けば聞くほど魂に響きお守を頂く時は天にも昇る気持です。この御力で救われるのだと思えば余りの嬉しさになんど目頭をふいた事でございましょう。その後主人はことごとに反対、苦しさの余り支部長のI様へ御相談しました処「明主様を念じ時を待つ事です。それから今迄以上に御主人に仕える事です。きっと御主人もお救い頂かれます」との事でしたが、いざとなればなかなか実行は困難でございます。特に家つきの私故、これだけ良くしてもと心の虫が頭をもたげ苦しい事でございましたがその度毎に神様はこうして私を磨いて下さるのだ、夫は私の魂を磨く良い砥石なのだ、と心と心に何度言い聞かせた事でしょう。歯をくいしばって明主様を念じ乍らたえさして頂きました。母の方は御浄霊を頂くと気持が良くなりますので反対する事はなくなりましたが、夫は良くすればするほど益々反対するばかり、人間のあさましさ、これだけやっても神様はお聞き届けがないのかと、心の片すみで不安な曇りが拡がり行く事も何度あったでしょう。神様は私を見捨になられたのだと悪魔の囁き、そうではない未だお前が足らないのだ、ともう一つの心に励まされ、 主人へ自分の出来る限りの誠を尽くして参りました。

 忘れも致しません、三月十五日腰の御浄化の為御浄霊を頂いて居りました処、憑霊現象を起したのです。遂に神様のお耳に入ったのです。問答は自動書記で

 「貴方は誰方ですか?」

 「天理教祖中山ミキです」

 「何の為に憑られましたか?」

 「私の力が薄いので天理教信者を救世教へお救い頂きたく憑って来ました」等々。

 直接目前にこの有様を見せつけられた主人は明主様のお救いの御手におすがりする事を心から誓って呉れました。私にとっては一生の喜びでございます。たえがたきをたえた一年間、思えば思う程涙せずにはおられませんでした。明主様有難うございました。唯今では夫婦共に箱の中の信仰を忘れ、大空の如く広き光の大愛を胸に日々喜びの生活をさして頂いて居ります。この大御恵にお報い申し上げるすべとて無く、ひたすら力の限り尽くさして頂く決心でございます。

 拙文をもかえりみず御守護の一端をつらね御礼の御報告を さして頂きます。

 明主様有難うございました。尚文中憑霊は狐霊が教祖の命 によって憑られたとの事であります。十日間でお蔭を頂いたのであります。

(昭和二十七年七月三十日)

 

 

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