本教と天国化運動 – The Providence of The Light of The East

　本教の最大目標たる病貧争絶無の世界とは、いうまでもなく全世界をして天国化する事である。それには先ず個人を天国化し、家庭を天国化し、社会を、国家を、終には全世界を打って一丸としたる天国化であって、これこそ凡ての宗教が理想として未(いま)だ達し得なかった処のものである。

　翻って現代の娑婆世界をみる時、その余りにも地獄相を現わしている事で、全く眼を蔽(おお)わざるを得ない状態で、実に暗黒そのものといってもいい。凡そ如何なる面にも罪悪のない所はあるまい。これに対し、為政者も宗教家も教育家も大童となって努力を払うけれども、一向社会悪が減らないばかりか、寧ろ増加の傾向さえみえる。

　斯様な暗黒時代に向って吾等は天国化せんとするのであるから、実に大胆(だいたん)無暴(むぼう)（謀(ぼう)？）と思われるかも知れない。しかしながら吾等には絶対の確信がある。何となれば一度本教に入信したる誰もが、個人的にも家庭的にも一転して歓喜の生活者となるという嘘のような現実であるからである。これは何等の誇張もない。本誌のおかげばなしを見れば聊かも疑う余地はないであろう。

　この暗黒無明の娑婆世界をして天国化する方法として、吾等は自觀大先生の揮毫になる光の文字を弾丸の如く発射する。この光力が暗黒を溶かすのである。暗黒の溶ける処天国化するのは当然である。しかしこんな事をいうと第三者としては到底信じ得られまい。そんな馬鹿な事があって堪(たま)るものか、光の文字が生物のように働くなどとは迷信以外の何物でもないというのは無理はない。それは過去における一切の経験によって判断するからである。処が吾々は今やキリストの唱えた最後の審判の迫れるを信じている。これは二千年前の予言であり、過去二千年間の経験になかったのであるから、といってキリスト程の大予言者が嘘(うそ)をいわれた筈はない。故に最後の審判などという空前の事態も来ないとはいえまい。右の意味と同様に事実光の文字が有機的に活躍する事実もあり得べき事で、信ずるもののみが知る特権である。この事によって吾々は天国化の実現を絶対に信じ、邁進しつつあるのである。

（地上天国　六号）