火災の霊的考察

 火事はどうして起るかということは、あまりに分り切った話である。新聞などにも出ている通り、原因はマッチ一本とか煙草、炬燵、電気、アンカ等々の原因で、その殆んどは人間の不注意からとされている。これは勿論間違いない話であるが、吾々宗教人としての立場として、見えざる霊を通してその原因を衝くのも(あなが)ち無駄ではあるまい。

 吾々が常に言う病気とは人体の浄化作用であり、人体に毒素が或程度溜るや、これが健康に支障を及ぼすため毒素排泄作用が発生する。つまり清浄作用である。これなくしては人間の健康は保ち得ないからで、それが一切の原則で、全く神の大なる恩恵である。その原理を科学は発見し得ないため全然間違った解釈をしている以上、何程進歩したとしても、事実は相変らず病者の氾濫(はんらん)をどうすることも出来ないで悩んでいるのが現在である。

 火災の原因を説明するのに、病気を持出すのは可笑(おか)しく思うだろうが、実は病気の原因も火災の原因も同一であるからである。何となれば火災も浄化作用の現われであるのである。

 又吾々が常に言うところの暴風の原因であるが、これも霊界に汚穢が溜る、即ち曇りである。この曇りの原因とは人間の悪の想念と、悪の言葉と行為によるので、その浄化清掃作用が暴風雨である。即ち風によって吹き払い雨で洗い流し、天日で乾燥させる。それで浄まるのである。

 右の如く病気は人体の清浄化であり、暴風は地上空間の清浄作用であるとすれば、右の外の物質は勿論地上建造物である。建造物と雖もその汚れが或程度堆積するや、それの浄化作用が発生する。それが火災である。勿論家屋の汚れとは、その建築に要した金銭に不純のあるためと、その家屋使用に当って不純行為の堆積である。

 これに就いて以前斯ういうことを或人から聞いたことがある。その人は霊視能力があって、関東大震災の数年前東京市中を歩き乍ら霊眼で見ると、どの家屋もどの街も、大廈高楼もバラック建のお粗末(そまつ)な家屋が立並んでいるので不思議に思ったところ、果せるかなアノ大震災が起ったので、成程と思ったとの話である。吾等がいつも言う、一切は霊界で先に起るというのは真実である。つまり霊主体従の法則によって、霊界の方が一足先に浄められ、それが現界へ移写されるのである。

 今回の熱海火災の際、本教仮本部の建物は火に包まれ乍ら助かったということは、右の如く汚れがなかったからで、寧ろ当然というべきである。この事実によってみても、人的には不燃焼建造物を造り、霊的には出来るだけ汚さないようにすれば、始(初?)めて永久不変の安全都市となるのである。

 このことに就いて、斯ういう疑問も起るであろう。それは西洋の如き不燃焼都市は、穢れがあっても燃える筈がないというであろうが、決してそんなことはない。第二次大戦の際、爆弾で破壊されたに見ても右の原理に因るのである。実に宇宙の原則は厳として犯す能わざるものたることを知ればいいのである。

(救世 六三号)

 

 

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