某医博との対談 – The Providence of The Light of The East

　最近の某日、東京都内で開業している懇意な某医博との対談をかいてみよう。

医　「この間、医師会で会合の際、談偶々貴教の事に及んだが、その際異口同音に貴教の医学反対の説が話題に上り、なかなか論議が喧しく、全体の空気は良くなかったから、今後貴教に於ても医学を誹謗(ひぼう)しないよう注意せらるる方がよかろうと思う」

私　「御注意は御尤もで、私も御説の通りにしたいと思い、そうすれば心配もなし、賢明なやり方である事はよく分っているが、どうもそうはゆかないのである。というのは、私はただこの宗教を発展させ、教主様に納り、生神様扱いにされるとすれば、天下泰平で、こんな結構な事はないんだが、私の目的は大いに違うのである。否神様の思召がそうであるから、私としてもどうにもならないのである。

　神様の御目的は、苦悩のドン底に喘いでいる人類を救い、地上天国を樹立するのであって、その手段としては人間苦の原因を除去する事である。という事は、現在人間のあり方が余りに間違いをしているからで、それを是正(ぜせい)し、人類一人々々が本然の道に立返り、地上天国を造るべきいよいよの時が来たのである。そうしてその基礎(きそ)こそ病なき健康人間を造る事である。それには、どうしても誤謬に陥っている医学から目覚めさせなければならないのである。

　右の如くであるから、私はお医者は仇でもないし、医学を悪く言う気持など更にないばかりか、私自身としても不利である事はよく分っている。併し前述の通りである以上、如何ともし難いのである」

医　「成程、伺ってみれば無理のない話で、お気の毒でもあり、自分として何も言う事は出来ない」と言って、後は世間話に移ったのである。

（光　四七号）