これから世界はどうなる

 これからの世界はどうなるかという事程大きな問題はあるまい。これに就いて私は大体の事を書いてみようと思うが、先ず今回突如(とつじょ)として消えてしまった、彼の()(せい)大物(おおもの)スターリンである。先ずこの事から取上げてみるが、今から約百年前彼のカール・マルクスとエンゲルスが唱え出した共産主義理論であるが、当時は単なる理想論として、学者が研究の対象と、一部の人達の社会運動に利用した範囲を出なかったのである。処が、思ったよりも早く現実に現わしたのは、彼のレーニンであった事は、まだ記憶に残っているが、彼が当時のロマノフ政権を(たちま)ちにして転覆(てんぷく)してしまい、これからという時この世を去り、跡を()いだのがスターリンであるが、彼も営々(えいえい)三十有余年にして強国な共産帝国を(きず)き上げたのであるから、その巨腕たるや、全く世紀の()(かん)と言ってもいい。従って善悪は別としても、彼も又歴史上の一()(じん)であろう。処が(ここ)で考えねばならない事は、スターリン()き後のソ連と、そうして共産主義の未来である。(なる)(ほど)後継者としてのマレンコフも相当の人物には違いないが、到底スターリン程の(りん)(かく)はないのは勿論で、恐らくスターリン全盛(ぜんせい)時代再現は先ず望みないと言えよう。見ようによっては共産主義(はな)やかな時代は過ぎ、(ぜん)()下り坂に向うのではないかと思うのは私ばかりではあるまい。何となれば、彼の歿(ぼつ)()まだいくらも日の()たないのに、従来の対外政策は一変(いっぺん)し、平和攻勢(こうせい)を大いに()し進めて来たにみてもそう思えるのである。

 それはそれとして、今度は米国の将来であるが、成程スターリン在世当時からみれば、当分は()(ほど)楽にはなるであろうが、これとてもまだ中々()(だん)は出来ないであろう。というのは、ソ連の軍備は目立たないが、(ゆる)みなく充実に努めているのは、最近の外電によっても(うかが)われる。従って、それに対するア大統領の方針も、或る時期までは今迄通りの軍備は続けるという事を言明(げんめい)しているにみても明らかである。

 このようなわけで、世界平和の前途は益々(ますます)遼遠(りょうえん)であるのは言う迄もない。そうして私は、(しん)()によって同国の将来を(ぼく)してみると、同国は近き将来、殆んど空前(くうぜん)とも言うべき一大問題に逢着(ほうちゃく)する事になっている。併し今これをハッキリ言う事は、神の許しがない以上出来ないが、それが世界的大変化の端緒(たんちょ)となって、順次宗教、政治、経済、教育、医学等々の凡ゆる文化面にも及ぼすであろう事も想像されるし、ソ連に於ても大変化が起り、その結果世界は新しい思想が生まれ、遂には人類待望(たいぼう)の平和幸福な世界は実現の段取(だんどり)となるであろう。

 ではその新しい思想とは何かと言うと、これこそ共産主義に(あら)ず、社会主義にも、資本主義にも民主主義にも(あら)ずという、左に偏せず、右に偏せず、中性でもないという、我々の方で言う()()()()()(そう)とも言うべき、高度の文化思想が生まれ、やがてはこの思想が今後の世界をリードする事になるので、これこそ深甚(しんじん)なる神の経綸の現われであり、(しか)も決定的のものである以上、好むと好まざるに(かか)わらず、必ず実現するのである。即ち本教のモットーである永遠なる病貧争絶無の世界、地上天国が築かれるのである。

 ただ併し、そうなるまでには迂余(うよ)曲折(きょくせつ)波瀾(はらん)重畳(ちょうじょう)()(すう)に迷う事にもなろうから、(あらかじ)めその(かく)()を決めて置くべきである。覚悟とは勿論信仰に(てっ)する事で、これによって如何なる悩みも軽く済む以上、ここに神の大愛(たいあい)を見出すのである。要するに、この世界大転換期の根本は、悪が滅び善が栄えるという、文字通りの新時代が来るのであるから、これが信じられないとしたら、その人こそ〝哀れなる者よ、汝の名は無神論者なり〟である。

(栄光 二〇六号)

 

 

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