ベートーヴェン

 この間私は、独逸映画、題名エロイカ、製作はウィーンフィルム会社で、ストーリーは楽聖ベートーヴェンの、中年から晩年に至る間の経(けい)路(ろ)を描いたもので、近来の傑作である。初めから終りまで息もつげない程で、主人公に扮する俳優も、それらしく素晴しい演技であった。然も聾(つん)耳(ぼ)になってからの悲痛な場面は、胸の迫る思いであった。処がそれを見ながら私はつくづく感じた事は、この聾耳の原因である。これは頭に溜っている毒素が、職業柄(しょくぎょうがら)長い聞耳に神経を集中する為、鼓(こ)膜(まく)と聴(ちょう)感(かん)神経との間に、毒素が少しずつ溜り、固まったものであって、浄霊によれば訳なく治る性質のものである。

 処が惜しい哉、年代の大きなズレと、国の違いさの為、折角(せっかく)の大芸術家が、これからという時人生の幕(まく)を閉(と)じたのであるから、残念(ざんねん)である。もっと年を貸したなら、どんな名作が出来たか分らないと思うと、返す返すも遺憾(いかん)である。勿論今後も、世界的偉人や名人が、半(はん)途(と)にして、この世を去る場合もあるであろうから、我が救世教の神霊医術を一日も早く全世界に知らしたいと、切に思うのである。

(栄光 二一四号)

 

 

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