先日アメリカのメイジャー・H・ショウ氏が、箱根美術館観覧後非常に感銘したと言うので、聞いてみると、米人らしい感想を洩らした。しかも、これは日本人の余り気のつかない事なので、ここに書いてみるが、同氏曰く〝この美術館は、日本に於ける最も新しい意味を提供したものである。というのは、今まで日本に於ける美術品は、特権階級の奥深く祕蔵され、個人的愛玩物として扱われて来た物が、このように多くの貴重品を蒐めて、惜し気もなく公開し、民衆を楽しませるという事は、美術の独占を破って、民主化の門を開いたわけで、自分は大いに感銘し、尊敬を払う〟というのである。これを聞いた私は、私の思っている事を、飾り気なくそのまま言ってくれたので、洵に快い気持がしたのである。
(栄光 二一六号)
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