民主的美術館

 先日アメリカのメイジャー・H・ショウ氏が、箱根美術館観覧(かんらん)後非常に感銘(かんめい)したと言うので、聞いてみると、米人らしい感想を()らした。しかも、これは日本人の余り気のつかない事なので、ここに書いてみるが、同氏(いわ)く〝この美術館は、日本に於ける最も新しい意味を提供(ていきょう)したものである。というのは、今まで日本に於ける美術品は、特権(とっけん)階級(かいきゅう)の奥深く祕蔵(ひぞう)され、個人的愛玩物(あいがんぶつ)として(あつか)われて来た物が、このように多くの貴重品(きちょうひん)(あつ)めて、()()もなく公開し、民衆を楽しませるという事は、美術の独占(どくせん)を破って、民主化の門を開いたわけで、自分は大いに感銘(かんめい)し、尊敬(そんけい)(はら)う〟というのである。これを聞いた私は、私の思っている事を、(かざ)()なくそのまま言ってくれたので、(まこと)(こころよ)い気持がしたのである。

(栄光 二一六号)

 

 

Copyright © 2020 solaract.jp. All Rights Reserved.