皮肉とは皮と肉であるから、骨のない奴の戯言にして、物を直線に見、直線に語る事は、攻撃の手が恐ろしい為、物を裏から見、歪めて言う卑屈極まる奴なり。併し乍ら真面目クサッて物を見る奴は、融通が利かず、洒落気がなく、木石同様である。こういう奴ばかりが殖えると世の中は面白くなくなる。今の人間は、特に政治家など、理屈の枠に閉じ込められて動きがとれず、国会は揚足とりやアラ探しを事とし、屁理屈の言合いが本職で、見物人には面白く可笑しくもない。思い起す往年の加藤高明の有名な皮肉や、高橋是清の禅味タップリの答弁など、実に興味津々たるものがあった。然るに今日の国会はどうだ。石を噛むような答弁ばかりでウンザリする。僕は日本にもバーナード・ショウのような皮肉文学の大家の出ん事を、望むや切なりである。
(地上天国 一号)
Copyright © 2020 solaract.jp. All Rights Reserved.