只生きているとは、何とマア、湯の中で屁をヒったような、寔に以て頼りない言葉では御座らぬか。空気を吸って、飯を食い、糞を垂れて睡るという、只それだけを毎日日々、繰返して死んでゆく、只それだけの人間共の、如何に多い事よ。悪く言うんじゃないけれど、娑婆ッ塞げの飯泥棒、人造肥料の機械と言っても、腹も立てられまい。その通りなんで御座るから仕方ない。全くの人間の形をした、虫ケラ同然、犬猫同然、フイゴの向う面、徳利野郎、口だけ開いているばかり、ワンワン泣けば犬も同然、安本丹の抜け殻、と言うより外に言いようがないというわけさ。
こんな虫ケラ人間を、神様とも言わるる御方が、何故造ったのかと言うじゃろが、そんな事をぬかすと罰が当るよ。実は虫ケラ人間が虫ケラ人間を、後から後から作るんだから、堪らない。そこで阿呆は神様に、代ってすっかり底の底、裏の裏迄も教えてやろうから、耳糞ホジってよっく聞けと、これから御託じゃない、アプレゲールの御説教、聞かしてやるから、有難いと思ったら、タンマリ御賽銭を、献げて貰おうと思うんじゃないから、安心して聞きなされ。
抑々、安本丹先生のその原因は、言わずと知れた面の上にくっついている、丸い形の問題じゃ。では何故丸い中の働きが、悪い処か空ッポーの、ような人間が多いかと言うと、それこそ機械が錆付いているんだよ。何しろ中身は毒だらけ、毒がカチコチに固って、機械の運転を停めているので、どうにもこうにも動かないと来てるんだ。サテ然らば、その毒という奴は、一体全体何の毒かと聞くだけ野暮だよ。じゃと言って、実は大きな声では言われないんだが、ツマリその、アレなんだよ。ハッキリ言ったが最後之助、阿呆の妖怪しくりからん事抜かす奴だと、叱られそうで危なくて仕様がないんだ。こう見えても、元来阿呆は、肚は素敵に大きいが、気は馬鹿に小さいんだ。そこで恐々内密で、お知らせするが、アノー、ソノー、何を隠そうクの字と言えば、ハハアー成程と、頭のいいお方揃いのメシヤ教の御連中なんだから、直ぐに分るで御座んしょう。
そんな訳じゃで、今の世は、大々的に安本丹を、製造して御座るんだから、大変だよ。だがガッカリするには及ばない。ここにメシヤ教という、ド偉い宗教が出来たんで、一人々々の安本丹の、丸の中に溜っている毒を、綺麗サッパリ溶かしてしまい、本当に生きている、人間様にするんだから、何と結構な宗教では御座らぬか。などとあんまり、手前味噌を並べ立てると嫌われるから、ここらでお終い、ヘイ、さよおなら。
(栄光 一〇一号)
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