12.自然農法

 今日、日本人ならみんな知っている事だが、日本は今、食糧が足りないと言って、政府も農民も一生懸命になっている。ヤレ金肥だとか、ヤレ人肥だとか言って、高い肥料を買って、作物ヘブッかけているが、どうも思うように収穫(しゅうかく)がない。ヤレ水害だ。ヤレ虫害だと言って苦しんでいる。今年は(まさ)に豊作だなんて言って喜んでいるが、それでたった六千二、三百万石と言うのだから、実に情ないではあるまいか。一体全体八千三百万の人口を抱えて、六千二、三百万石とは、丸ッ切り問題にならない。神様は人間一人の(くい)()()は、年一石としてあるんだから、八千三百万の人口なら、確実に八千三百万石穫れなければならない筈だ。だからそれだけ穫れないとしたら、不思議というより外はない。従って神様に向って大いに談判(だんぱん)してもよかろう。神様は人間をドシドシ増やしておき乍ら、それだけの食い物を与えてくれないなんてどうしたものか、これでは人間は干乾(ひぼし)になるばかりだ。神様よ、我々の命をどうしてくれるんだ。一体人間を造ったのは誰なんだ。造物主だか神様だか知らないが、食わなきゃ生きていられないように、造っておきながら、生きるだけの食い物を()てがわないなんて、あんまり酷すぎるでは御座いませんか。神は愛だなんてよく言うが、それは()(はや)信じられない、一体どうして下さるんです。とマアー、仮に神様に向って談判(だんぱん)するとすれば、神様はこう仰言るだろう。先ずアッハッハーッとお笑いになられ、目を開かれて『オイオイ、お前達人間共よ、何を寝惚(ねぼ)けているんじゃ。儂はチャンと食うだけ穫れるように、立派な土というものを拵えてやってあるんだ。それをどう間違えたものかお前達は、鼻も(つま)めない、臭い臭い糞尿(ふんにょう)などブッかけたり、そうかと思うと硫酸(りゅうさん)なんていう劇物(げきぶつ)や、小便(かす)みたいなアンモニヤなんていう汚ない物を有難がってブン()くじゃあないか。だから土は、散々(さんざん)(よご)されてしまうので、どうする事も出来ないのだよ。そこで土が言うには〝いくら俺自身が働きたいと思っても、汚され切ってしまったんだから、手も足も出ないじゃないか、だから人間がこれに気が附かないとすれば、俺は()(せつ)の来る迄()(まん)して、碌々(ろくろく)働かないで、じっと待っているばかりだよ。実に人間位馬鹿な奴はないと(あき)れているんだ。可哀想だと思って、いくら人間が食うだけのものを作ってやりたくも、手足を(しば)られていては、どうにも働けないのだから、俺は苦情を言いたいが、人間と違って(しゃべ)る事が出来ないので困っていたんだ。処が今度メシヤのオッさんが大いに同情(どうじょう)して、それを人間共に知らしてやると仰言るので、これ幸いとこの通り頼んだんだよ。だから早く目を覚まして、これからは余計(よけい)な事をしないで、土をウンと奇麗にして作ってみなさい。今の倍や三倍はお茶ノコサイサイだよ。又虫が()いたと言い、ヤレ消毒薬などと言って、変な粉をブン撒くが、これも可笑(おか)しいよ。成程虫は死ぬが、その粉が土に浸み込むので、土は弱って、反って虫が湧く(もと)になるんだ。実にこれ程の馬鹿野郎はあるまい〟と土はホザクんだから、人間共よ、これで少しは分っただろうから、今度メシヤの親父によく聞いてみなさい。併しこの頃はどうやらボツボツ分った百姓もあるので、儂もやっと胸を撫で下したという訳だよ』とのお言葉である。

 このような神様の御託宣(たくせん)であるから、百姓君よ、もういい加減(かげん)()を捨てて、鼻を折って、親父の言う事をきく事だよ。そうすれば、米なんか今迄の倍位出来るのは()河童(かっぱ)だよ。その上、働くのも今迄の半分で済むから、先ず四倍の(とく)になるという訳だ。どうです農民諸君、こんな素晴しい自然農法というものが出来たんだから、一日早ければそれだけ(とく)になるんだよ。だから、素直(すなお)に言う事を聞くのが、利巧(りこう)というものだよ。

(世界救世教早わかり 四三頁)

 

 

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