今日、日本人ならみんな知っている事だが、日本は今、食糧が足りないと言って、政府も農民も一生懸命になっている。ヤレ金肥だとか、ヤレ人肥だとか言って、高い肥料を買って、作物ヘブッかけているが、どうも思うように収穫がない。ヤレ水害だ。ヤレ虫害だと言って苦しんでいる。今年は正に豊作だなんて言って喜んでいるが、それでたった六千二、三百万石と言うのだから、実に情ないではあるまいか。一体全体八千三百万の人口を抱えて、六千二、三百万石とは、丸ッ切り問題にならない。神様は人間一人の食扶持は、年一石としてあるんだから、八千三百万の人口なら、確実に八千三百万石穫れなければならない筈だ。だからそれだけ穫れないとしたら、不思議というより外はない。従って神様に向って大いに談判してもよかろう。神様は人間をドシドシ増やしておき乍ら、それだけの食い物を与えてくれないなんてどうしたものか、これでは人間は干乾になるばかりだ。神様よ、我々の命をどうしてくれるんだ。一体人間を造ったのは誰なんだ。造物主だか神様だか知らないが、食わなきゃ生きていられないように、造っておきながら、生きるだけの食い物を充てがわないなんて、あんまり酷すぎるでは御座いませんか。神は愛だなんてよく言うが、それは最早信じられない、一体どうして下さるんです。とマアー、仮に神様に向って談判するとすれば、神様はこう仰言るだろう。先ずアッハッハーッとお笑いになられ、目を開かれて『オイオイ、お前達人間共よ、何を寝惚けているんじゃ。儂はチャンと食うだけ穫れるように、立派な土というものを拵えてやってあるんだ。それをどう間違えたものかお前達は、鼻も撮めない、臭い臭い糞尿などブッかけたり、そうかと思うと硫酸なんていう劇物や、小便粕みたいなアンモニヤなんていう汚ない物を有難がってブン撒くじゃあないか。だから土は、散々汚されてしまうので、どうする事も出来ないのだよ。そこで土が言うには〝いくら俺自身が働きたいと思っても、汚され切ってしまったんだから、手も足も出ないじゃないか、だから人間がこれに気が附かないとすれば、俺は時節の来る迄我慢して、碌々働かないで、じっと待っているばかりだよ。実に人間位馬鹿な奴はないと呆れているんだ。可哀想だと思って、いくら人間が食うだけのものを作ってやりたくも、手足を縛られていては、どうにも働けないのだから、俺は苦情を言いたいが、人間と違って喋る事が出来ないので困っていたんだ。処が今度メシヤのオッさんが大いに同情して、それを人間共に知らしてやると仰言るので、これ幸いとこの通り頼んだんだよ。だから早く目を覚まして、これからは余計な事をしないで、土をウンと奇麗にして作ってみなさい。今の倍や三倍はお茶ノコサイサイだよ。又虫が湧いたと言い、ヤレ消毒薬などと言って、変な粉をブン撒くが、これも可笑しいよ。成程虫は死ぬが、その粉が土に浸み込むので、土は弱って、反って虫が湧く因になるんだ。実にこれ程の馬鹿野郎はあるまい〟と土はホザクんだから、人間共よ、これで少しは分っただろうから、今度メシヤの親父によく聞いてみなさい。併しこの頃はどうやらボツボツ分った百姓もあるので、儂もやっと胸を撫で下したという訳だよ』とのお言葉である。
このような神様の御託宣であるから、百姓君よ、もういい加減に我を捨てて、鼻を折って、親父の言う事をきく事だよ。そうすれば、米なんか今迄の倍位出来るのは屁の河童だよ。その上、働くのも今迄の半分で済むから、先ず四倍の得になるという訳だ。どうです農民諸君、こんな素晴しい自然農法というものが出来たんだから、一日早ければそれだけ得になるんだよ。だから、素直に言う事を聞くのが、利巧というものだよ。
(世界救世教早わかり 四三頁)
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