- ムハンマドの預言を編集
イスラム教の最も重要な聖典は「コーラン(クルアーン)」。儀式によって身を清めたイスラム教徒でなければ、「コーラン」に触れることはできない。
ムハンマドは、アッラーの言葉を正確に記憶した後に、弟子に口伝したとされる。ムハンマド没後、初期のイスラム教では記憶の優れた者を選抜し、ムハンマドの預言を伝承したが、それでは不完全として、3代目のカリフが書き留めることを命じ、650年頃、「コーラン」として編纂された。それ以後、コーランには一切の変更・改定はなされていない。イスラム教徒は、「コーラン」は絶対に誤りのない神の言葉であり、すべての人間に向けて神の意思を表した、最後の、そして完全無欠のものと信じている。
「コーラン」とは、アラビア語で「読むべきもの」という意味。つまり、読誦することが前提なので、全体が音韻を踏んだ散文で統一されている。そのため、アッラーが口伝した「コーラン」のみが正式とされ、他の言語に翻訳されたコーランは、イスラム教の聖典とは認められていない。
イスラム教では、旧約聖書のモーゼも、新約聖書のイエスも預言者として認めているが、ムハンマドが最後の預言者で、それまでの預言には間違いがあり、最後の預言を書き記したコーランこそが真正であると考える。
o神の名
「コーラン」には、神の呼称が、「おおいなるもの」「慈悲深いもの」「導くもの」など、全部で99も見られる。イスラム教徒は33個の珠のついた数珠をくりながら、その名を唱え、瞑想する。
- 信徒が守るべき規範を網羅
「コーラン」は114章からなり、内容にとらわれずに長い章から順に構成されている。
「コーラン」は個人の生活だけでなく、社会の生活をも律するルールを定めている。これらのルールは、祈り、慈善、断食、巡礼から、結婚、相続、飲食物に至るまで、宗教的、社会的行動のすべてに適用される。
内容は、アッラーの唯一絶対性・神の裁き(終末・審判)・預言者などの教義的テーマから、礼拝・儀式・タブー・巡礼・聖戦などの信徒が守るべき生活規範、律法・刑法にいたるまで網羅され、アッラーに絶対帰依するために不可欠な規範が記述されている。
- ムハンマドの言行録「ハディーズ」
「コーラン」は、ムハンマドがアッラーから授かった啓示を神の言葉として記したもので、ムハンマドの言行録ではない。
イエスの言行録として記した新約聖書の福音書のように、イスラム教で、ムハンマドの言行を記してあるのは、コーランに次ぐ重要な聖典とされている「ハディーズ」(語るの意)。ムハンマドが亡くなってからは、直接、身近で意見を聞いたり、模範としたりすることができなくなったため、「ハディーズ」が編纂されたと言われる。
ムハンマドにまつわる伝承は100万にも上ったが、そのうち信憑性の高い伝承だけを厳選した1万にも及ぶ言行が、同署に記述された。そこには、殺人・強盗などの処罰について、結婚や離婚について、商売の取引についてなど、ムハンマドの考えが具体的に示されており、イスラム教徒は信仰や実生活の教科書として非常に重要視している。
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