イスラム教では、正しい信仰は日々の実践で成就されると考える。人の心は計り知れないものなので、その人がイスラム教であるかどうかは、その人の行いを見て判断するしかないという考え。
そのために作られた規範が≪六信五行≫で、最も基本的な事柄として「コーラン」の中から抜粋された、正しいイスラム教徒であるための信仰と実践の規則。
- 信じるべき6つのこと
≪六信≫とは、「アッラー・天使・啓典・預言者・来世・予定」の6つを信じなさいということ。
そこには、アッラーが唯一絶対の神であること、「コーラン」が至高の聖典であること、ムハンマドは「神の使徒」であり、最大にして最後の預言者であること・・・などが、簡潔明瞭に箇条書きにされている。
「預言者」の中には、アダム、ノア、アブラハム、モーゼ、ダビデ、イエスなど、ユダヤ教やキリスト教と共通の預言者たちも含まれているし、アッラーによって啓示されたものとして、「旧約聖書」や「新約聖書」も挙げられている。
- 実践すべき5つの義務
≪五行≫は、イスラム信徒が実践しなければならない5つの神への奉仕義務。
①シャハーダ(信仰告白)
「アッラーのほかに神はなし。ムハンマドはその使徒(預言者)なり」と告白すること。入信のときも、礼拝のときも、告白しなければならない。
②サラート(礼拝)
メッカに向かって、神の偉大さと栄光をたたえるための聖なる行為。一日5回(夜明け前、正午、午後、日没後、夜)の礼拝が義務付けられる。
その他、金曜日のモスクでの集団礼拝、断食明けの祭り、雨乞いをするときなどにも礼拝が行われる。
※ 5回も?・・・・・・イスラム教では一切の偶像崇拝が禁止されているため、信者がアッラーの恩恵を忘れがちになることの防止策として、5回の礼拝を義務付けている。
③サウム(断食)
イスラム暦第9月(ラマダーン)の30日間、日の出から日没までの断食が義務付けられている。その間、水を飲むことも、喫煙、セックス、自慰行為も禁止。もともとは、食べられない者の苦しみを思いやり、最大の欲望に打ち勝つことを目的としていた。
※ ユダヤ教、カトリックの断食・・・・・・ユダヤ教には、ユダヤ暦第7月の1日か2日にある「新年祭」から3日目と10日目の夜のほか、年に合計6回の断食日がある。カトリックには、復活祭前の「灰の水曜日」と、イエスが処刑された「聖金曜日」、年2階の断食がある。
④ザカート(喜捨)
1年間で得た財産(貴賎や物品)の一部を、喜びを持ってウンマ(イスラム共同体)に寄付すること。以前は自発的な行いとされていたが、次第に困窮者、孤児、神のために尽くす人たちへの「救貧税」の役割を果たすようになった。
⑤ハッジ(巡礼)
メッカへの准霊は、イスラム暦第12月(ズール・ヒッジャ月)の7~13日にかけて行われ、一生に一度は行うべき義務とされる。
「コーラン」3章97節「聖殿(メッカのカーバ神殿)への巡礼は、そこに旅する余裕がある限り、神への義務である」
- モスク
モスクは、外側の庭と大きな内陣からなる。庭には水が引かれ、入口で靴を脱いだ礼拝者は、庭で定めに従って身を清める。内陣はふつう、カーペットや敷物が敷き詰められ、説教檀(ミンバル)、書見台、演壇くらいしか置かれていない。一番上の段から説教できるのは、預言者のムハンマドだけで、イマーム(導師)はもっと下の段に座らなければならない。人々はここで祈り、週に一度、金曜午後の礼拝の時、教訓を聞きに集まってくる。
ムアッジン(召集人)はモスクの塔(ミナレット)から、1日に5回お祈りをするよう、イスラム教徒に呼びかける。ミナレットは、ムアッジンは、「神は偉大なり」で始まり、「この神以外の神はなし」で終わるアラビア語で呼びかける。
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