その他の菩薩

< 地蔵菩薩 >

インド古来の大地母神クシティ・ガルバが、仏教に取り入れられ、菩薩となった。あらゆる生命の源であり、恵みをもたらし、無尽蔵のエネルギーを蓄えている大地の徳を象徴すると考えられる。

奈良時代、天保年間(729~49)に、地蔵三経(「地蔵十輪経」「地蔵本願経」「占察善悪業報経」)などの地蔵教典が伝えられた。それによると、釈迦はその入滅から56億7千万年後に、弥勒菩薩がこの世に現れることを予言する。そして弥勒菩薩が出世(出現)するまでの無仏世界における一切衆生の救済をゆだねたという。

  • 十種の福徳

ご利益は多岐にわたるが、現世利益の面では十種の福徳を授かるという。

また、六道世界での衆生の抜苦、特に最も恐ろしい地獄での抜苦。地蔵は地獄にまで入り込み、閻魔王府で閻魔大王に対して、罪ある衆生を救済する弁護人の役割を果たす。それゆえ、現世においてほんの一瞬でも敬う心があった者に対しては、不快慈悲の心をもって救いの手を差し伸べてくれるとされる。

※ 十種の福徳・・・・・・①女性は安産し、②身体強健で、③どんな病気も除き、④寿命が長く、⑤智恵聡明で、⑥財宝が充満し、⑦人々に敬愛され、⑧穀物が豊作、⑨神明に保護され、⑩悟りに達する

  • 形像

六道世界の衆生の救済を託された地蔵は、求めに応じて自由自在にどこにでも現れるべく、親しみやすい比丘の姿。これは釈迦の修行中の憎形を表す。一般的に、右手に錫杖(しゃくじょう)、左手に宝珠をもつ姿は、六道世界を経巡(へめぐ)って衆生を救済する行脚(あんぎゃ)の身なり。

  • 六地蔵

六道世界を巡って、迷いの世界で苦しむ衆生を救済することが使命なので、その各世界に一尊ずつを配した六体の地蔵を「六地蔵」という。仏教で説かれる仏・菩薩の中で、六地蔵ほど、六道で苦しむ衆生を救済するため懸命に努力するものはない。

※ 空也上人の作と伝えられる「賽(西)の河原和讃(わさん)」・・・・・・西院(さい)の河原(親に先立って死んだ子どもが苦を受けるとされる冥土にある三途の川の河原)に、子どもの霊魂を救うという賽の河原地蔵の話。仏典の中には直接根拠がなく、中世に起こった俗信とされる。

その他、身代わり地蔵、かさ地蔵など、「~地蔵」とさまざまな名称を持つ。昔話や笑話の名脇役であったり、数多くの伝説があるなど、多くの人々に親しまれ、あらゆる方面にわたってその後利益が尊ばれ信仰された。

< 文殊菩薩 >

梵語でマンジュシュリーの音写である文殊師利の略称で、知恵第一の菩薩。仏教における「空」の思想に立脚した般若(知恵)を完全に供えた菩薩で、般若部の経典では、釈迦の代表的な説法相手。

釈迦三尊像では、文殊が左の脇士(向かって右)で、普賢は右の脇士として配置されている。文殊・普賢の両菩薩は、釈迦の悟りの境地を象徴するものであり、文殊の「智」に対して、普賢は「理」を現す。

伝教大師最澄は、比叡山延暦寺を草創したとき、文殊堂を建立して、知恵を重んじた。

  • 形像

右手に智剣、左手に青蓮華、または経巻をもち、獅子に乗った姿。

< 普賢菩薩 >

あらゆるところに姿を現し、すべての功徳をそなえた、理智と慈悲の菩薩の意。慈悲の徳を発揮する。

「法華経」によれば、普賢菩薩は(ろく)()を持った白象(びゃくぞう)に乗って現われ、信仰する者を守護し、心を安らかにするという。「華厳経」では、「十大願」(十種のすぐれた請願)をうちたてた菩薩であり、文殊とともに菩薩の中では最も上位の座に位置する。

  • 形像

六牙の白象の上にある蓮華座の上に乗り、宝冠をかぶって合掌していたり、如意(棒)または金剛杵をもっていたりする。

長寿延命をかなえてくれる普賢延命(えんみょう)菩薩は、二十臂の菩薩で、一身四頭(または三頭)の白象に乗り、金剛杵や金剛(れい)(金剛杵の下部が鈴となっているもの)をもつ。密教で生み出された菩薩で、平安貴族や天皇の延命祈願の本尊として信仰された。

< 虚空蔵菩薩 >

右手に剣、左手に如意宝珠をもち、知恵と福徳を虚空(大空、宇宙)のように広大無限に蔵するとされる。空海が行った密教の虚空蔵菩薩求聞持法(ぐもんじほう)は、無人の記憶力を得るため、この菩薩を保存とされる秘法。

  • 十三まいり

陰暦3月13日(現在は多く4月13日)に、数え年13歳の少年少女が厄落としや開運のために、寺院に参詣して虚空蔵菩薩に祈願する行事。

13歳は干支が誕生から一巡した年齢で、初の厄年を迎えた最初の転換期であり、一種の成人式とする風習でもあった。

< 勢至菩薩 >

観音菩薩とともに阿弥陀仏の脇士。

知恵の象徴で、知恵の力で一切を照らし、衆生の苦難を離れさせ、無上の力を授けるとされる。

 

 

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