<神政成就の暁>
太古、神界において、統治者神はその位に在して神霊を統治し、地上では日本天皇が世界万国を治めるという、神界と人類界の凡てに整然たる統一があった時代を、「神政政治の時代」という。来るべき神政復古の時代では、宇宙や太初の「神政政治」の状態に復古帰順する「神政」は、太初でのような無内容なものではない。形式・内容共に整備し、漸次進歩を続け、ついに玲瓏玉のような時代に到達する、完全無欠な社会到来の暁を神政成就の時と云い、その時の人類の統率者は、日本天皇。
神政成就の暁には、「創造・統一・自在・限定」の4箇が、各々一聯の環のように密接、微妙な運転をなす時代となる。将来、この時代を招来するためには、各神霊・各人類が「創造・統一・自由・限定」の間における真の天津神則(=天の法則)を、自ら得て理解することが必要条件。
<神代の神政政治の紊乱「天の岩戸閉め」>
★天の岩戸閉め
人類が創造されて、宇宙の「創造時代」がほぼ終了し、神の世界と人類界の神政政治が布かれて、「統一時代」が出現した。ところが、統一時代の当初は、神も人も全く幼稚で深い経験がなく、このまま放置すれば宇宙創造の神業は退歩委縮する。宇宙間に存在する凡ての神霊と人類に、自らが惹き起し帰ってくる争闘の反逆性に眼覚めさせ、真の調和の域「神政成就の彼岸」に到達させるために、「神代の神政政治の紊乱」が開始された。この神業の顕現を「天の岩戸閉め」と云う。
すなわち、「天地根本大祖神」の発露で、宇宙全般は「統一時代」を終わり、各神霊、各人類は試練に直面して、真の調和ある時代に向かって進むべき準備として、「自在の時代」に入る。「自在の時代」では、各神霊が個性に応じた能力を発揮して、自らの意志のままに欲する所を行ったため、神の世界の政治は動揺を来し、調和しようとしてさまざまな争闘を余儀なくされる「調和の葛藤」(神政の大紊乱時代)が出現した。
自在時代で初めて発生を見た「争闘」は、何から起因したか。宇宙創造神は、この自在時代の「内容」として、神霊界と人類界に「愛慾と司配慾」の二個をはっきり現わされた。万霊万物の調和の原動力は、宇宙の万神万生の霊的恋慕性「愛」(万有のそれを引力と云う)だが、調和を破らんとして、その範囲を脱して不自然に堕した愛自体「愛慾(恋愛慾)」が争闘を引き起こす。「司配権」は、愛慾によって発生する争闘を調和させようとする圧力だが、「司配慾」は、調和させようとしてかえって調和を破壊して常規を逸する。この両個の欲望「愛慾と司配慾」によって引き起こされる「争闘」は、自らだけで終始するものではなく、必ず相当の反逆性[自家撞着性(=矛盾)]を伴う。すなわち、既に出ている争闘は、必ず己に帰るという事実。
次第に起きてきた神霊界の政治紊乱は、やがて人類界の神政政治に反映し、神・現両界の自在時代における政治の混乱が相共々に顕現する。これは、やがて来るべき「限定時代」の前駆であり、内容が充実した神政成就への神人両者の事前の試練。この間、人類は次第に神霊と離れ、神と人の交通は天津日嗣天皇と特殊人以外は途絶え、それもやがて終焉した。
天運循環し、昭和5年、自在時代(宇宙の混乱状態)は、初めて終了を見た。
★〝善悪〟の発生
宇宙に「自在」を許された「天地根本大祖神」の意志を知るのは、「天の御三體の大神」と「国万造主大神」(自在界における地の親神)のみ。その他の自在界諸神霊や限身界の人類は、その意慾の根本の出所を知らないために、ことごとく各自より発生するように思うようになった。
人類界が生まれた当初、優れた叡智ある天皇が在位して調和ある社会を構成していたが、駛身界での諸神霊の混乱闘争が反映するに連れて、人類界も共に混乱を起すようになる。この駛身神霊界での混乱闘争こそ、人類興亡の歴史を生んだ根源。この慾望による争闘混乱の間で、神霊界では善神と悪神が対立し、その分霊たる人間界では善人と悪人が対立した。しかし、善神・悪神、善人・悪人と称するも、事実はこの対立での相異の理由に過ぎず、大局から観れば、神霊も人類もことごとく「天地根本大祖神」が書き下ろされた大戯曲の役者に過ぎない。舞台の上では善人も悪人もいるが、役者そのものには善悪はない。宇宙間でのあらゆる善と悪は、創造神の意志によって密かにこの宇宙に仕組まれた立場の相違より起こる現象に過ぎない。
太初より、人類に顕現して啓示を下した神霊は少なくないが、いずれの神霊も「善悪発生の原因」(=神の戯曲の真相)に眼覚めたものはおらず、その啓示を受ける人類は全く何ものをも自覚していない。これらの啓示で、宇宙の真相をはっきりと明らかにし得たものはなく、その一部分は語り得ていても、未だ宇宙推移の全般は全く覗き見ることもできない。
したがって、「天照彦大神」を始まりとして初めて宇宙に出現した司配慾と恋愛慾を、諸神霊は各々自らの意志によって想起したように思っているが、諸神霊の不覚の間に、大局である創造神によって焚き付けられたもので、「天照彦大神」は余儀なくさせられた。
★出現した〝支配慾〟と〝恋愛慾〟
「天地根本大祖神」の意志で実施された神策「天の岩戸閉め」下で、おのずから司配慾と慈愛慾に駆られた「天照彦大神」[橦-―天照彦大神]は、[稚比売君大神]の珍の御子神で駛身界第一の美女神「金竜姫大神」を手に入れ、さらに駛身神霊界の政権を掌握しようと、統治神の許可を待たずに「金竜姫大神」に思いを寄せた。これは既に意志の世界のことなので、天津違反。
「稚比売君大神」は大いに驚き、「大地将軍」を使神としてその天津違反を詰ったが、逆に、「天照彦大神」は〝思を寄せられて引き落とされし神に罪あり〟と言って聴かなかった。「稚比売君大神」が自ら出向いて詰じるも、また「天照彦神」に引き落とされ、大いに怒った地系[駛身界系統]の従神「八百八光神」等が、大挙して「天照彦大神」に迫る。多数の反撃にあった「天照彦大神」は、ついに罪を謝って日の若宮[統治神の蔭]に隠れて「行水春神」と変じ、「金竜姫神」を伴って一時『ろ』の国[外国]へ走った。
これによって、「稚比売君大神」は6次元仮凝身神から賜った珍の御子神を失ったのみならず、4次元駛身神霊界に大混乱を起した罪はひとえに自分にあるとして責を負わざるを得なくなり、天神[由良里彦大神]と共に野に下った。地系の「八百八光神」等は、「天照彦大神」と共に謀略をめぐらせた天系[燿身界系統]の従神[八百幡神]を急に責め、両神系間に大戦闘が起きる。天系[仮凝身界系統]の巨神「道成義則大神」以下6神が間に立って調停したが、その効なく、収拾できない大混乱となった。
この時、『ろ』の国にいた「山武姫大神」は、『ろ』の国の修裡固成に成功したことから、『い』の国(日の本)の神霊界までも自分の手中に収めようという司配慾が起こり、日の本神政の混乱を機にその手足となって動く家臣を磨くようになり、仮凝身創造神の神策通りの大混乱を引き起こすことになる。これによって、駛身界諸神霊は、いずれも「天地根本大祖神」の意志たる、最後の調和に対する事前の試練に直面することになり、宇宙自在時代における葛藤が始まり、3次元限身人間界にもこの事態が反映していく。
★統一時代の〝神現幽三界の神政政治〟
統治神「天照日大神」より神勅が下り、4次元駛身神霊界は、「国万造主大神」が、司宰神として統治して諸々の神霊を率い、地上では「万国棟梁天津日嗣天皇[日本天皇]」が、諸々の臣僚を従えて全地球に君臨。人類界の発生に伴って出現した人間霊魂の集り行く世界「幽界」も、4次元駛身界の一神霊がこの幽界の司宰神に任じられ、幽界で幽政の組織が定まる。これが、「統一の時代」における、「神現幽三界の神政政治」の状況。
★人類界の社会的事象は、神霊界の事象の反映
3次元人類界の種々相は、4次元駛身界の諸般の変化の縮図で、一つとして人類界自體より生起するものはない。
人類界・駛身界の次元は異なるが、人類の個々の身魂はその根源たる4次元駛身界神霊の魂なので、両者の身魂そのものの個性は全く同一。そのため、その神霊や人間の個性のみならず、その全般の歴史に到るまで、全く相対応しつつ進展していくのが、神界・現界に相通ずる宇宙の真相。これは、永久に変化したり食い違うことがないだけではなく、駛身神霊界に現れ起きる諸相は、また幽界に反映することから、永久不変に、幽界と現界とはその諸相がそっくりとなる。
4次元駛身界の政治の治乱荒廃と、諸霊統神等の起伏波瀾などは、いずれも同一個性を有する駛身神たる3次元現人類界に反映し、人類界での波瀾興亡、盛衰波瀾が生まれ起きる。「人類界でのあらゆる社会的事象は、ことごとく神霊界での社会的事象の反映である」という真理が全く明らかではなかったため、人類は、歴史上の民族、国家社会の治乱興亡が人間界自体から生まれ起きる事実と考えた。〝神霊界の事象の反映〟という真理に照合して歴史を再検討する時、今日まで不明不可解だった幾多の事実が、初めておのずから氷が解けるようにはっきりとわかる。この真理こそ、人類の過去・現在・未来の歴史を照らす炬火。この炬火で歴史を照らして、本解説『宇宙剖判より神政成就に到る神現両界の推移変遷の概観』は作成された。
★人類個人の〝身魂の性来因縁〟
「天照彦大神」の許に赴いた「大地将軍」の使命が成功しなかったことに憤激した部下の「八百八光神」は、大挙して「天照彦大神」の「八百幡神」軍に攻撃を始めるが、「八百八光神」の神将の中にいた「一の木神」(大地将軍の分霊神)が討死。その後、「一の木神」の霊は幾多に分裂して人間界の身魂として出現するが、この神の身魂を受けて現われた人間は、その根源の身魂神「一の木神」の経歴を踏み、ことごとく天命を全うできなかった。この「一の木神」の身魂を受けた人々は、中世の平景清、近世の佐倉宋五郎、大石良雄、赤垣源蔵、佐野次郎左衛門、西郷隆盛、僧月照、乃木希典等。
人の身魂は神霊界の神霊の個性・行為に支配され、人間の身魂はその光の神霊の性来・因縁を踏襲するという真理。人間の身魂の個性は「天津大神」の霊統者と言われるが、同じ「天津神」でも異なる個性・経歴を有する多数の神霊が存することから、人間にもさまざまな身魂の個性が出現することを、身魂の性来因縁(=出所経歴)と云う。
★相当の反逆性と、伝染病の発生
「八百八光神」と「八百幡神」の争闘は、激烈となって施す術はなく、困りきった「大地将軍」は、両軍が戦闘に疲れてみずから終熄する時を待とうと、妻神「常世姫大神」を伴い、「気津久姫大神」「花寄姫大神」「早里姫大神」なる三姫神を率いて、摂津国(大阪府西部と兵庫県南東部)肝川の里(4次元界でのその所を指す)に隠退。その時、天照彦大神の「八百幡神」軍が追撃して戦闘は継続したが、「大地将軍」の軍の殿陣を承った「大音声丸神」「草鶴姫神」の夫婦神が大いに奮戦し、「天照彦神」の軍勢を阻止する。「大地将軍」を安全に落すことはできたが、この乱軍で「大音声丸神」が死亡。憤激した妻神「草鶴姫神」は、夫神の怨を晴そうとして自身を蛇身に変えて、神念力で敵の全軍を麻痺させた。「八百幡神」軍は一時怯むが、「草鶴姫神」の神念力に気付き、その念力で生じた悪鬼をことごとく一箇所に集め、これを一団となして「草鶴姫神」に向けて吹きかけたため、自ら出した毒気で「草鶴姫神」は斃れてしまう。
神界、現界を問わず、正々堂々と陣を敷いての争闘は神もよしとされるが、邪法で相手を破ろうとすれば、かえって自らが斃れることになる。創造神の意志によって、自在時代には自在を許されたことから争闘も起こるが、争闘を起したものは、自分の初期の目的に反して、その争闘のために自ら破られる。「草鶴姫神」の例はこの顕著な一例で、これを広く、相当の反逆性と云う。
また、悪鬼となって敵陣を悩ました「草鶴姫神」の邪気が分散して、その後、現界に反映し、伝染病が出現した。現界の伝染病はこの神の司るところで、神霊の怨恨が、神霊界では悪鬼となり、現界に出れば細菌の醸し出す毒素となる。この「大音声丸神」と「草鶴姫神」の思念・怨恨は、やがて自らが「天地根本大祖神」の戯曲における永遠の御計画を自覚した時、初めて自ら消滅する。この神霊の自覚によって思念が消滅しない限り、現界での伝染病は決して消滅しない。この事のみならず、すべて神々の自覚によって神界に真の楽園が出現しない限り、決して人間界では楽園の出現を得られない。
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