私は昨年の事件から、丁度一年目の今日思い出したので、静岡県庵原警察署の留置場に十五日間抑留されていた際、霊的に色々な事があったのをかいてみようと筆を執ったのである。何しろ場所が場所とて、来る人はなく、朝から晩まで薄暗い三畳敷位の部屋で、何する事もなく、ポツ然と坐っているばかりで、殆んど人形同様な生活であったから、こういう時こそ霊的の仕事にはお誂え向きと思い、神様もそうさせたのだと思って、色々な霊的の事を試みた。その中で興味のある幾つかをかいてみよう。
先ず、各宗教の教祖や、昔から今日までの偉い人などの霊を次々に呼び出しては問答をしてみたので、割合退屈しなかった訳である。その中で、今も覚えてるこれはと思うのをかいてみるが、一番度々来られたのは大本教教祖出口直子刀自であった。私が大本教へ入信した時は、最早故人となられ、御目にはかからなかったが、信者は教祖様と崇めて、尊ばれていたのは勿論である。その霊が来られ、色々お話をされたが、中々優しい温味のある方で、慈母に遇ったように懐しい気がした。丹波言葉であったが、その中でこういう事を言われた。『あんたも随分御苦労なされたが、今にドエライ事になるよって、今少しの辛抱やで、頼んますよ。それで今の大本はホンの口過ぎ同様な事をやっているのやで、何れ時期が来たら助けてやってくれなはれ』とのお言葉なので、私は〝承知しましたから御心配なさらぬ様に。出来る丈御面倒みて上げますから〟と申したのである。又、出口王仁三郎先生も憑られたが、これは一寸発表し難い話が多いからかかないが、只先生の霊が八衢におられた為、私は第三天国に御救いして上げたので、非常に喜ばれた。それから、天理教教祖中山ミキ刀自も憑られたが、刀自曰く『貴女が世にお出ましになった事は、非常に嬉しく、これから天理教信者にも私からよく分らせるようにするから、宜しく頼みます』という御言葉であった。その外色々な方面の偉い人達を呼んだが、その中で特に参考となり、興味ある人達をかいてみるが、彼の日蓮上人が憑られ、数年前私が救って上げた事を非常に喜んで言われるには『自分は長い間○○に落ちて、非常に苦しんでいた処、お蔭で楽な地位に上げられたので洵に有難い。これから日蓮宗の信者も分るようにするから、救ってお貰いしたい。宜しく御頼み申す』と言われた。次に明治天皇を御呼びしたが、天皇の御話では『代々の天皇の中で、まだ霊界で苦しまれている者が多数あるから、是非救って貰いたい』との事で、私も充分御助けするから御安心願うと申したので、天皇は非常に喜ばれた。それからキリストを呼んだが、最早三度生まれ変って、今はイタリヤの○○○○との事であった。釈尊もヤハリ三度生まれ代（変？）って、今は印度の○○○に生まれ変っているとの事であった。面白かったのは、スターリンの生霊を呼んで共産主義の間違っている点を色々説いたが、彼は実に頑固で、三回呼んでやったが遂に承知しなかったので、私も諦めてしまった。それから私の当時の事件に就いての原因、その他の事を○神様に訊いてみた処、勿論大きな邪神の計画で、沢山の龍神が大勢の人々を躍らしているとの事だが、これは今は詳しくかく事は出来ないが、ヤハリ神様の大経綸の一つで、深い意味のある事が分った。これは出所後私は少し発表したが、詳しい点は、何れ時期が来たら発表するつもりである。
（栄光 一一八号）
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