或る質屋の話

 この間東京神田の某(ぼう)質(しち)屋(や)の主人から聞いた話だが、最近質屋は大(だい)繁(はん)盛(じょう)であるそうで、新(しん)規(き)開(かい)業(ぎょう)も殖(ふ)えつつあるという事だ。そうしてこの原因はと聞いてみると「病気の為」で、今日医師にかかった場合、医療費が非常に高く、然も長引くので、生命には代えられないから、ヒト工(く)面(めん)しても続けなければならないというわけで、全く悲(ひ)惨(さん)な話であるというのだ。次は勤(つと)めている会社の給(きゅう)料(りょう)遅(ち)延(えん)と、この二つの為というのだ。

 右二つを社会問題として見る時、由々(ゆゆ)しき大問題であると共に、その解決こそ焦眉(しょうび)の急を要する。即ち給料遅延は大した問題ではないが、医療費問題の方は底(そこ)知(し)れない深刻(しんこく)さがある。とすれば、本教浄霊の如何(いか)に重大意義を有するかである。実際上現代医学は、その点忌(き)憚(たん)なく言えば病気を治癒(ちゆ)する力はないのだ。我等が常に言う如く、医療は一時的苦痛緩(かん)和(わ)だけの効果で、その苦痛緩(かん)和(わ)の方法が、実は病気増(ぞう)悪(あく)の原因となる事など全然知らないのだから、問題は重大だ。

 この一大誤(ご)謬(びゅう)に目覚めないがために、人間は如何に病苦に災いされると共に、その結果として貧窮(ひんきゅう)の境地に落込むという二重苦だから、何たる悲(ひ)惨(さん)事(じ)であろうか。何よりも前記の質屋の問題だけにみても明らかで、これは氷山(ひょうざん)の頭が見えたのと同様であろう。

 以上の事実に対し、罹(り)病(びょう)の場合僅かな治療費で短期間に全(ぜん)治(ち)するという医術が生まれなければ、人間は余りに可哀想だ。併し世人は、そのような夢にも等しい医術が生れようなどとは想像だも出来ないから、現状のままの状態で仕方がないと諦(あきら)めて、相変らずの悲劇を繰返(くりかえ)しているのが今の実情(じつじょう)だ。

 処が本教浄霊法こそ、右の夢が具体化したものである以上、現社会のこの欠陥(けっかん)に対し晏如(あんじょ)し得ないのだ。その為本教発行の光新聞及び雑誌地上天国、種々の著書を以て、目的達成に邁進(まいしん)しつつあるのだ。

 先日ラジオの「家庭の話題」の時間に、右の質屋の主人がその事を話したが、放送局は肝腎(かんじん)な所を削(けず)ってしまったとは可笑しな話だ。マサか放送員が医師会から賄(わい)賂(ろ)を貰ったわけでもあるまい。とすれば、いよいよ判らない。

(光 二六号)

 

 

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