一月三日

【御 教 え】

 正月丈は原稿なしにして話丈にし様と思って、昨日も一昨日も、別に決まらない話で、思いついた儘を話しました。今日も思いついた儘のお話をし様と思ってます。何だか今年のお正月は明るい程にはいかなくても、何かのんびりした様な気分が――国民一般もしている様で、尤も去年の正月なんかは、朝鮮問題が(タケナワ)なんで、それらの為に非常に何か不気味な感じがしてましたがね。今年は、あの問題が大分監緩和されたんで、それで、何かゆったりした様な気分がする訳ですね。処が朝鮮問題も、実に――決まりがつきそうになると、又駄目になっちゃったり――見物人としたら、非常にじれったい様に思うんですが、あれは共産軍――中共ですね――中共の計画であるし、その奥にはソ連が糸を引いていると言う訳で、講和にしてはいけないんです。大体、休戦の話がこんなに長引くと言うのは、恐らく今迄に例がなかっただろうと思いますね。で、アメリカの方で――休戦になったらとか、停戦になって軍隊を引上げるとか、色んな事を言ってますが、つまり軍隊をアメリカの方で引上げてはまずいんですよ。つまり、共産軍の方は、その根本が、アメリカに対する消耗戦術ですからね。軍隊を何時迄も駐屯して置けば、それ丈の莫大な費用を使わなければならないから――引上げには、そう言う意味が無くなりますから、出来る丈引止めて置かなければならない。と言って、戦争をやるとすると、今の処アメリカの優秀な武器の為に、非常に損害が多いですから、闘うのは損だし、決まりをつけて軍隊を引上げては何にもならないと言うんで、巧妙に引止め戦術をやっている訳ですね。この頃アメリカの方でも気がついて来た様ですが、最初はアメリカの方も、兎に角全面的に講和にならない迄も、或る程度戦争を終結させられると言う考えがあったらしいですね。だからアメリカの有名な人で、十二月二十七日迄には必ず、約束が出来ると言う様な事を断言してましたが、中々そんな訳にいかないんで、今もってグズグズしてますからね。そんな訳で、根本はアメリカを弱らせると言う目的なんですからして、そう言う風に考えると、大体解ると思うんです。次に東南アジアですね――あの辺が大分両方で戦備をしている様ですが、もう少し経つと、必ず又衝突が起るでしょう。それに対してアメリカがフランスを非常に援助してますからね。ですから、之もグズグズしていると、戦争が起るでしょう。それから、今ヨーロッパで一番怖がっているのはユーゴーですね。ユーゴーのチトー政権ですね。あれをスターリンは非常に憎んでいるんですからね。どうしてもチトーをやっつけなければならない。然し未だソ聯の軍備が充実してないから、ソ連の方で痛し痒しですね。余程前からそう言う状態であったんですが、今ヨーロッパの形態は、今年はチトーをやるだろうと言う様な節が非常にある様ですから、相当危険と見なければならないですね。それからあとは、ドイツですね。西と東ですね。之が、若し大戦争が始まるとすれば、東ドイツですね――あれが発火点になるだろうと言う観測がありますが、兎に角東西ドイツの問題も中々難かしいらしいですね。下手すると、朝鮮の南北の争いみたいにならないとは限らないと言う訳で、早晩兎に角無事には済まないですね。何かゴタゴタが起るだろうと――そんな様な具合ですが、根本と言うのは、やはりアメリカを弱らせる――出来る丈消耗させると言うソ連の計画です。それが、兎に角ソ連の思う通りに行きつつあるんですね。

 と言うのは、何しろ今ヨーロッパで統一軍を編成してますが、あれなんかに非常に金がかかるんですね。ヨーロッパの――英国、フランス、イタリヤあたりにしろ、殆んど金がないですね。みんなアメリカから金を借りたり、材料を供給されたりしてます。そうして漸く少しづ(ず?)つ、軍備をしている様で、全然アメリカの負担になってますね。ですからして、今度チャーチルがアメリカに行ってトルーマンに会いますが、結局英国は金が無くなっちゃったんですね。一年位前には相当あったんですがね。最近になって急に英国は金がなくなっちゃったんですね。之に就いて、あんまり人に言わないけれども、日本人が気のつかなければならない事は、英国が非常に疲弊している訳ですね。何だと言うと、食糧問題にしろ、今もって、一週間に卵一箇(個?)だとか、牛肉は足りないし、バターは足りないし、丁度日本の戦争中の様な状態ですね。ですから、今日の日本に較べると、日本の方がずっと食糧事情なんか良いですね。金さえ出せば、何んな美味しい物でも食べられると言う状態ですが、英国はそんな事は出来ないですね。厳重なんですね。尤も国民性にも因るんですがね。疲弊生活ですね。だから、負けた日本の方が楽で、勝った英国の方が疲弊生活ですね。チャーチルなんか、演説して警告してますがね。英国が何であんなになったかと言う事は、あれは社会主義の為なんです。労働党なんか随分続きましたがね。私は先から、社会主義はいけないと言っている。と言うのは、社会主義と言うのは、一般大衆に対しては、そう苦しむ者はないし、大変良いんですが、その代り優勝劣敗があんまりないですから――大いに活動して欲望を満足させ様としても、或る程度制限されているから、そう言った欲望が無くなるんですね――国民がね。自由競走(争?)と言うのが制限されているんです。だから、あんまり活動しない――働かない者が得なんです。どっちかと言うと、怠け者の天国と言うんです。だから英国は貧乏を救う――救貧施設と言うのが非常に出来てますよ。大いに働いても、それ程面白くないから、そう言った欲望がずっと減るんですね。そこにいったら、アメリカは――丁度日本の豊臣時代の様なもので――腕のある奴は出世が出来ると言うので、大いに活気ず(づ?)いて、国家が生き生きして来る。社会主義と言うのは、そう言った――あんまり、一般的に公平にし過ぎるんですね。結局不公平なんですね。で、私が前にも言った、公平が不公平で、不公平が公平だ。結果はそうなるんです。働く奴は出世する。怠ける奴は駄目だ。それが公平なんです。処が、社会主義から言うと、不公平になるんですね。要するに行過ぎなんですよ。余りに片っ方に行過ぎるんですね。社会主義と言うのは行過ぎなんですよ。アメリカの資本主義も行過ぎ様とするのを、兎に角アメリカ人は中々利口ですから、旨く労働政策なんか採って、行過ぎない様にしているんですが、あれは中々巧妙にやっている。処が英国の方は、資本主義の反対の行過ぎが殆んどなんです。先のチトーと言う人は、何もない様な平和な時は良いが、今日の様な脅威な――ソ連なんて言うものがある時は駄目なんです。物質なんか非常に不足してますね。日本からも輸出して、それでポンドが増えて困ってます。日本が一寸――緬羊なんか、努力すると日本の方が英国より勝っちゃったですね。ですから、英国で一番恐がっているのは緬羊ですが、日本の政策を考えている様です。と言うのは、あんまり骨折って働いても、つまらないと言うので、沈滞して了うんですね。日本なんか、社会主義をやっていないので、兎も角も活気があるんですよ。大いに腕を振うと言うんで、唯日本は税金で押えられるんで――大分何ですが、未だ英国よりずっと良いでしょう。そんな様な訳で、政治にしろ、何にしろ極端に走るんでいけない、共産主義にしろ――あれも社会正義より、もっと極端にいってますがね。共産主義と言うのは、一ぺんに、ひっくり返っちゃいますよ。

 そんな様な具合で、極端に走ると言う事は伊都能売でないからです。それで私は、大乗にあらず小乗にあらず、経と緯を結ばなければならない。経と緯を結んだ真中が伊都能売だと言う事になるので、伊都能売式にならなければならないと言う事を常に言ってますが、処が、今迄の世界と言うのは、経と緯と両方に偏っていたんですね。そこで、それを結ぶと――結んでから初めて五六七の世になるんですからね。五六七と言うのは、経緯結んだ形ですね。一切がそうなるんだからして、兎に角宗教でもそうならなければならない。宗教と言うのは思想的なものですからね。だから精神がそうならなければならない。私は「文明の創造」を書いてますが、そう言った思想ですね――何々思想――それは伊都能売思想ですね。両方に偏らない。極端にいかない――そう言う一つの思想を段々世界の人類に教える様な方法を取るんですがね。

 それから、私が今やっている仕事は、六年毎に変っていくんです。最初私が始めたのは昭和三年ですが、その前から――三年から急激にやった訳じゃなくて、その前から段々――大本教信者なんかで、色々研究したりやってましたが、そのうちに、私が、昭和二年の十二月――之は私の本に書いてありますが――神憑りになって、色んな事が分ったんですね。それから、他にも色んな奇蹟があって、愈々決心して始めたのが、昭和三年の節分からです。そうして、色んな不思議な事が沢山あって、昭和九年迄六年間、神様の修行と言う様な訳ですね。そうして、病気を治す事や何か、やっと出来る様になって、九年に麹町民間治療の店を開いて、それから六年経った昭和十五年の十一月に()めて、それから翌年の十六年から、今度は――未だ宗教的には出来ないけれども――その時分には喧ましかったから――半宗教、半治療ですかね。病気治し――そう言う様な事をやって、二十二年ですね――そこで、本当の看板をかけて、宗教と言う様になった訳ですね。二十一年が六年になる。それで、二十一年から地上天国ですね――箱根、熱海に始めたんです。終戦が二十年ですから、終戦後直ぐに、色んな計画の下に着手した訳ですね。そうすると、今年が丁度、又六年目になるんです。今年は非常に変る訳なんです。

 で、その内の一つは美術館ですけれどもね。美術館は大晦日の日に行って見たが、思ったより立派に出来ました。堂々たるものですね。建物から言っても、恐らく日本一でしょう。中身も日本一にする積りですがね。そんな訳で、あれが出来ると、先ず社会の注目を大いに引くだろうと思います。で、中に陳列する物も、色んな――私が準備した物だとか、信者さんが献納したものだとか――それから又、高級――優等の逸品物ですね。そう言う物は、財閥とか旧大名ですね――そう言う処に中々立派な物があるので、そう言うのは、先方で中々売らないですけれども、金に困っているんです。あそこの家じゃ、あれを売る様ではもう駄目だ。と言う信用ですね――そう言う点もあるし、税務署がおっかないしと言う訳で、中々手離す事が出来ない。そうかと言って、金には苦しんでいる。そこで私は考えて、或る程度のお礼をして、それを借りると言う様な意味を話すと、大分それで――先方は喜んで応じる風があるんですよ。ですから、その点に於いて非常に、普通見られない様な物を出品出来ると思ってます。それから後は、古い仏教美術の様な物ですね。之は京都奈良あたりのお寺は、みんな財政に苦しんでますから、之は殆んど威張って――借用料を出して借りる事が出来るんですから――こういう物の良い物が出るだろうと思ってます。建物と中身と、日本一は充分間違ないですね。それから、或る点に於いては、世界一かも知れないですね。と言うのは、アメリカあたりなんかが――この間のサンフランシスコであった展覧会で、非常に刺戟されて、是非今年――二十七年にやって貰いたいと言う――最近申込んで来ましたがね。ロックフェラー財団ですかね、日本も大乗り気になって今準備している様です。今度はサンフランシスコの時と違って、もっとずっと良い物を出す予定らしいです。サンフランシスコの時は良い物を出さなかったですね。あの時話しましたが、進駐軍の注意があって、あの時フィリッピンが喧ましかったので、あの時にダレスさんなんかが、今日本は賠償は出来ない。だから他の事で、賠償をする様にしなければいけない――そう言った話があったので、フィリッピンは、金銭以外とすれば、美術品でも良いと言うので、押えられる様な事があったので、最初の予定と違って、一段落ちた――そう言う物を出したんです。この間、その展覧会を見ましたが、成る程そう言う様になってます。一級品を避けている。処が今度は、そう言う心配がないので、一級品を出す様子ですがね。そう言う様で、日本美術に関心を持って来る傾向なんです。ヨーロッパあたりでもそうですがね。日本の古美術の権威として、矢代と言う人があるんです――この人は今度ヨーロッパに招ばれて英国、フランス、イタリヤと――日本美術の講義をして来ようと言うので、もう直き出発する様です。そんな様な訳でアメリカ、ヨーロッパの人達が、非常に日本美術に関心を持って来た。ですから、今度箱根に造る美術館も外人の方に知らせたら非常に観に来るだろうと思ってます。大体日本美術を主にして、支那美術を附録位にしてます。支那美術の方はアメリカ、ヨーロッパでも集めてありますから――支那美術は、それより以上には、こっちは出来ません。日本美術は、先方に――本物はないですね。殆んど贋物ですね。本物は極く僅かしかないです。そんな訳で、箱根の美術館丈でも、世界的といかなくても、相当注目を引きますね。いずれ熱海に建てるのは、世界一と言うのを目標にしてます。それは、大変なものですが、今の箱根ですね――箱根丈でも、相当注目を引かせる様になると思います。

 正月早々お説教的な事は言いたくないですけれど――よく、邪神々々と言ってますが、邪神が一番目掛けているのは、信者なんです。それで、大きな問題ではないんですが、時々小さい問題が、教団の中にあるんです。処が、信者さんの場合は、邪神にやられても、世間の人がやられる様なのとは違う。世間の人は、本当に悪い事をするが、そうではない。信者さんが邪神にやられると、良い事と思っている事が、結果が悪いんです。それを注意しなければならない。信者さんは、之が教団の為だと一生懸命やる。それが、実は反対の結果になると言う事がよくある。この間九州で起った問題は、一軒の家で、そこの娘さんか何かが病気で死んだんですが、それで、医者にかからなかったとか言う問題ですが、それは誰がそうしたかと言うと、そこの家の長男ですが、病人は二十幾つかの娘で、その兄貴ですね。地方の新聞に投書したらしい。今迄そう言う問題を見ますと、必ず青年が問題を起すんです。起すんでなくて、問題にするんですね。例えて見れば、その家の親が死ぬとか、兄妹が死ぬとかする場合に、不断から――浄霊している時から反対しているんです。そんなインチキ宗教で、病気を治すなんてけしからんと言う。今学校で教育を受けた者なら、そう考えるのもしようがないです。唯物教育によってそう言う思想になっているから、偶々家の誰かが信仰で病気を治そうとすると、反対ではないが、憤激的になるんですね。そんな様な具合ですから、病気も治り(ニク)いんです。その想念が邪魔していますからね。ですから何時も言う通り、一家の内で非常に反対する人があったら、触れない方が良い――()めるんですね。その霊が邪魔するんです。だから結果が悪いんですね。すると、そうれ見た事か、俺が言った通りだ。じゃ問題にしてやろうと言う事になる。法律的な事はないんですがね。地方新聞なんかに、よく出る様ですが、そこで一家の内に非常に反対する人がある場合――そう言うのは見合わせる。病人は頼りますから、――中々それを振り切ると言う訳には出来ない。そこの処を旨くやるんですね。成るべく、そう言うのは避けると言う方針にした方が良いですね。問題の起るのは皆んなそうですね。それから、偶には妻君なり娘とか息子とか言う場合、本人が縋って来るから、やってやる様なものの、親父が反対する場合に、死にでもすると、それを問題にしたがるんです。非常に面倒ですから、兎に角反対者のある場合――一軒の家でね。注意して成るべく避けると言う方針を取った方が良いですね。問題を起すと言うのが一番面白くないんですからね。幾ら一生懸命やっても、逆になりますからね。そう言う場合に、大乗的に見れば良いですね。そう言う病人に限って、面白くないです。病人は縋って来るから、何とかして助けてやろうとするが、家の人が反対するので、何となく気持が悪い。それで、引っ込みがつかなくなって、パッと死んじゃう。私なんかも、昔あったんですがね。そう言うのは避けるんです。薄情な様でも、パッと振り切るんです。それが、大局から言うと教団の為になる。それで、結果においてスラスラいって、有利ですね。ですから、何時も神様の事は算盤を取らなければならないと言うのは、そう言う訳です。何うしても、大乗は小悪を伴うんです。大愛でいっても、少しの悪はどうも止むを得ない。ですから、多く助け様と思って、利他愛でやった処で、少しは――随分、情無いと思う様な人もありますが、大局から見て有利の方をやっていくより仕方がない。それでないと、却って神様の御神意に適わない事になる。だから、神様は人類全部を助けるとは言われない。助かる者と滅びる者と出来ると言うんです。それが、最後の審判ですよ。ですから、そこの点が非常に難かしいんです。そこで、どうしても大乗的にいかなければならない。小乗だと、あんなに縋って気の毒だとなる。それに、ひかされている。それは小乗になる。だから、今言う反対者に遭った場合は注意すると言う事丈心得て置くんですね。大分長くなったので、話はその位にして、寸鉄を――

 

 

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